『東京卍リベンジャーズ』新展開を読み解く3つのポイント 「三天戦争」はどうなる?
※本稿は『東京卍リベンジャーズ』のネタバレを含みます。 2021年12月17日に発売された『東京卍リベンジャーズ』の25巻はもうチェックされただろうか。同巻には216話から224話が収録されており、「六破羅単代」、「梵」、「関東卍會」の三天時代が大きく動くきっかけが描かれている。そこで、今後ストーリーが動くターニングポイントとなる出来事が多々詰まっている同巻を改めて振り返ってみたい。 【写真】「マイキーのどら焼き」や「三ツ谷の刺繍タオル」も! 充実の『東リベ』グッズ まず挙げたいのは、主人公・花垣武道が未来予知できるようになったことだろう。対象となる人物が所持していた物や身体、縁ある物に触れることで、少し未来に起きる最悪の事態が見えるようになったのである。瓦城千咒が食べたセブンティーンアイスのゴミを受け取ったことで、千咒が誰かに殺されるビジョンが見えたことが未来予知の始まり。さらに、ドラケンこと龍宮寺堅の部屋に行くためにビルのエレベーターのボタンを押した時も、自分が着ていたTシャツが赤く染まっているビジョンを見る。後に風俗嬢とぶつかってトマトジュースをかけられてしまったことで、未来が見えるようになったことに気が付き、それによって大きな犠牲を払いつつも千咒が殺されることを阻止できた。25巻になって登場したこの能力が、この先のストーリーに関わってくる可能性も十分にあるのではないだろうか。 そして同巻で最も大きな出来事と言えば、ドラケンの死だろう。本来、武道が見た未来のビジョンの通り、千咒が六破羅単代のメンバーに銃で殺されてしまうはずだったが、それに気付いた武道が阻止。代わりに、武道が襲撃を受けると聞いて駆けつけたドラケンが3発も被弾してしまったのだ。 ドラケンが最後に残した「マイキーを頼む」という言葉は武道を突き動かすカンフル剤のようになり、ドラケンの死そのものはマイキーの今後の行動に大きく関与してくる。また、梵にとっては仲間が殺されてしまった形となったため、抗争が1週間早まることに。梵No.2の明石武臣が冷静さを失い、六破羅単代に抗争を仕掛けてしまったのだ。さらにマイキーも姿を表し、「三天戦争」へと転じていく。ドラケンの死が「三天戦争」のゴングのようになってしまったが、一方で多くの人々が我を忘れて殺し合いをしてしまうほどの大きな衝撃を与えたとも言える。皮肉にもドラケンの人望の厚さがわかる出来事でもあった。 3つ目は、千咒と武道の友情だ。同世代の2人はチーム内では唯一気の置けない友人のような関係性を築いていく。実際「梵 みんなオッサンだから同い年が入ってうれしー」と千咒が無邪気に話すシーンもあった。遊園地で書いた短冊にも「花垣を守る!!!」と書いており、武道が千咒にとって大切な仲間になりつつある様子が描かれている。そのほっこりするやりとりがあるからこそ、この先起こる「三天戦争」の酷さと悲しさが際立っている。 そして絆が生まれたことで、千咒が殺されてしまう未来、それを阻止した代わりに起こったドラケンの死と、悲しい出来事にも結びついてしまう。本来であれば微笑ましいことなのだが、同作の中では不幸の引き金になってしまうということが鮮明に描かれているようで、なんとも切ない気持ちになってしまう。だが、この絆があったからこそこの先も武道は自分の信じた道を進んでいくこととなる。千咒との関係性にも注目していきたい。 再びストーリーが盛り上がる序章となっている25巻。2月17日には早くも26巻が発売予定だ。それまでに、今一度同巻をしっかり見て復習をしておきたい。
高橋梓