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LGBT配慮に温度差 性別欄削除進まず 全庁的実施、鹿児島県内4市のみ

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南日本新聞

 LGBTなど性的少数者へ配慮し、公的書類の性別欄削除などに全庁を挙げて取り組んだ鹿児島県内の自治体は、4市にとどまることが17日、南日本新聞の調べで分かった。残りの39市町村と県では、一部の課で廃止していたり、調査中だったりするケースはあるものの、全庁的な実施に至っていない。当事者の一人は「行政が率先することでLGBTへの理解が進んでほしい」と訴えている。 【写真】男女を選ぶ欄がある2018年度までの鹿児島市職員採用試験受験申込書(左)と欄が消えた現在の申込書

 全庁的に取り組んだのは、鹿児島、薩摩川内、指宿、日置の4市。  薩摩川内市は昨年、交付書類や申請書などで性別欄のあった274件を精査し、国による定めや統計上必要な物を除く145件について、4月から削除または自由記入にした。鹿児島市は2019年度までに公的書類約620件のうち約6割の性別欄を見直した。指宿市と日置市も全課を調査し、一部を削除した。  見直しを予定するのは、県のほか、霧島市といちき串木野市。  霧島市は今月、法律に定めがあるものを除き見直すことを決め、調査を始めた。いちき串木野市は11月以降、各課の申請書を調査する。県は3月に策定した「人権教育・啓発基本計画(2次改定)」で性別欄について「性的指向・性自認等に配慮した見直しの検討」を明記。現在、調査中で、本年度中に着手するという。県教育委員会は、21年度公立高校入試の入学願書から性別欄を廃止する。  ほかの37市町村では、住民票交付申請書や印鑑登録証明書など一部で性別欄を削除しているケースはあるが、調査も行っていない。「必要性は感じるが近隣自治体の状況を見て判断する」「市民からの要望はないので議論に上がっていない。予定もない」といった消極的な声もあった。

 LGBT当事者団体のメンバー正貴さん(58)=鹿児島市=は「男女二択を迫られることにストレスを感じる人がいることを理解してほしい」と強調する。県立短期大学の疋田京子教授は「当事者が声を上げづらい問題であることを前提とすべき」と指摘。「先進自治体ではLGBTについて学ぶ研修を義務付け理解を深めている。性別欄見直しは固定的なジェンダー(社会的性差)意識を変え、誰もが暮らしやすい地域づくりへの一歩」と話した。    ●性的少数者 同性愛のレズビアンやゲイ、両性愛のバイセクシュアル、心と体の性が一致しないトランスジェンダーらの総称。頭文字を取って「LGBT」と言われることが多い。

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