アシアナ航空の超大型旅客機A380型が成田空港乗り入れ ── その目的と課題は?
韓国のアシアナ航空は6月13日、同社初導入となるエアバス社製の超大型旅客機「A380-800型」をソウルの仁川空港から成田空港と香港国際空港へ就航させました。A380型とはどんな航空機なのでしょうか? 乗り入れの目的や課題を探ってみましょう。
A380型とはどんな航空機?
A380型は全長72.72m、高さ24.09m、翼幅79.75mという巨大な機体を持つ4発エンジンのワイドボディ旅客機で、客室はオール2階建てとなっています。 アシアナ航空のA380型はファースト、ビジネス、エコノミーの3クラス構成の合計495席となっており、ファーストクラスは扉付きの個室仕様のフルフラットシートになっています。また、ビジネスクラスはフルフラットシートがジグザグ配置されており、全ての座席で出入りの際に隣席の乗客の邪魔することなくスムーズに機内を移動出来る配置となっています。 さらに、ファーストクラスとビジネスクラスの乗客向けにバーとラウンジが設けられているなど、先行導入している各エアライン同様に「空飛ぶホテル」と呼ぶに相応しい装備となっています。
日韓路線に限定就航させた目的とは
今回の成田路線への就航は8月14日までの期間限定の予定です。また、7月24日からは仁川空港から関西国際空港とタイのバンコクに同じく8月14日までの期間限定で就航します。日本とタイへの運行後、8月15日以降は仁川空港から香港とロサンゼルス線での運航となる見込みです。 同社がA380型を短距離国際線の日韓路線に限定就航させたのは、同社のハブ空港である仁川空港の乗換率が今年4月にピーク時の20%から5%低い15%まで低下していることがあり、新型機材の魅力をアピールすることで日本各地の空港から仁川を経由して欧米方面へ向かうルートをアピールし、ハブ空港としてのテコ入れを図るためのプロモーションという側面があると考えられます。 また、昨年7月のサンフランシスコ空港での着陸失敗や今年4月のサイパン線でのエンジン故障時の安全規則違反による運行停止処分など、同社への悪評を新機材と新たなサービスによって一掃する狙いもあると考えられます。