【高松宮記念・聞かせて核心】あの悲劇から2年 忘れ物を取りに行く〝幻のGⅠ馬〟クリノガウディー
[GⅠ高松宮記念=2022年3月27日(日曜)中京競馬場、芝1200メートル] 現役最速馬の称号をかけてぶつかり合う春のスプリント決戦で忘れ物を取りに行くのは“幻のGⅠ馬”クリノガウディー。進路妨害により1位入線→4着降着という辛酸をなめたあの悲劇から2年。新たなパートナーを迎えて巻き返しを狙う藤沢則雄調教師(67)に話を聞いた。 ――休み明けの阪急杯は14着に敗れた 藤沢 中間に乗ってくれていた岩田(康)君は“いかにも休み明けの感じ”と言っていたし、最終追いにまたがった福永君も同じ意見。心配はあったが、そんな中でも追い切りの時計は相当なものが出ていたから、やれないかとも思ったんだけど…。そう甘くはなかったですね。 ――レース後の様子は 藤沢 本調子じゃないことを感じたジョッキーが最後はもう無理をさせなかったからね。幸い大きなダメージはなく、使った上積みを感じる。叩いて確実に上向いたと思います。 ――ここは2年前に1位入線から降着となった舞台 藤沢 あの時はつらさももちろんあったけど、他馬に迷惑をかけてしまったという申し訳ない気持ちのほうが大きかったからね。今は左回りのほうがむしろ走りやすくなっているから、同じ舞台で雪辱を果たしたい。 ――今回は松岡騎手と初のコンビを組む 藤沢 なかなかジョッキーが決まらなかったんだけど、松岡君が空いていると聞いて。この間、同じ栗本オーナーの馬で重賞を勝ったばかりでしょ(12日=中山牝馬S・クリノプレミアム)。15番人気を勝たせたいい流れが続けばと思って彼に頼みました。 ――最後に意気込みを 藤沢 調教の動きを見る限り、まだまだ衰えは感じず、スピードは現役屈指のものがあると思っているからね。左回りの重賞をずっと待っていたので、力の出せる状態に仕上げて挑みたいと思っています。
東スポ競馬編集部