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ボルトン「暴露本」が示した、想像を超える日本への関心と信頼

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日経ビジネス

 ジョン・ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録が出版されて早くも1週間がたった。ごく最近の主要外交問題を、これほど詳細、かつ率直に書いた回顧録は恐らく前例がないだろう。 【関連画像】今回筆者が注目したのは、従来はほとんど書かれることのなかった日米外交の舞台裏が本書で生々しく描かれていることだ。(写真はイメージ)  600ページ近い大著だから、短時間で全文を精査することは英語を母国語とする記者でも一苦労。さらに、内容がアジア、欧州、中東と多岐にわたることから、同書に関する報道ぶりは国によって大きく異なっている。 例えば、米国関連では、 ●トランプ氏は大統領の「適性」なし ●米財務長官、対中制裁などがドル優位を弱めると懸念 ●米連邦地裁、出版差し止め請求を棄却 韓国では、 ●大統領府、「回顧録のかなりの部分は事実を大きく歪曲(わいきょく)している」 ●「今後の交渉の信義を非常に深く傷つけかねない」と批判 ●米朝会談を最初に提案したのは「金正恩(キム・ジョンウン)委員長だった」と韓国政府が反論 一方、日本では ●ボルトン回想録はトランプ再選に「とどめの一撃」か ●ボルトン氏、文在寅大統領の非核化構想は「統合失調症的」 ●「拉致問題」が米朝声明から外れた経緯は ●日本の防衛費負担、年80億ドル要求 ボルトン氏明かす ●トランプ氏、駐留軍経費問題で「日本脅せ」と発言  といった具合だ。  どの論点も内外メディアが既に報道し尽しており、目新しい点は少ない。要するに今回のボルトン暴露本は、①トランプ大統領の行動のすべては再選に向けたものであり、②トランプ氏は大統領の器ではなく、③トランプ再選は不適切、ということに尽きる。大統領選への影響もあまりないだろう。  それより今回筆者が注目したのは、従来はほとんど書かれることのなかった日米外交の舞台裏が本書で生々しく描かれていることだ。 ●機能し始めた日本版NSC  ボルトン回顧録を読んで最も驚いたことは、日本に対するボルトン氏の並外れた関心と信頼だった。ホワイトハウスに席を占める国家安全保障担当補佐官が書いた回顧録は少なくないが、この種の書籍で日本に関し多くのスペースを割いた著作は稀(まれ)だ。古いところではヘンリー・キッシンジャー氏の『White House Years』がある。全1991ページもある同書における日本への言及は160回、佐藤栄作首相が95回。ただし、ほとんどの記述は事実関係だったと記憶する。  最近の例はどうか。直近のオバマ政権時代で国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたスーザン・ライス氏の回顧録では、全534ページで日本への言及はわずか10回、日本の首相に触れた箇所はゼロだった。これに対し、全578ページのボルトン回顧録では、日本への言及が153回、安倍晋三首相が157回ある。さらに、谷内正太郎・日本版NSC局長 への言及も21回に上った。一昔前の日米関係を知る者にとっては「隔世の感がある」といっても過言ではない。

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