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「ホワイトニング」もNG? 黒人差別反対運動から進むネーミング変更

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ニューズウィーク日本版

──BLM運動でブランドやネーミング変更が加速

ジョージ・フロイドさんが白人警察官の暴行により死亡した事件を受け、黒人差別の撤廃を訴える「Black Lives Matter(ブラックライブズマター)」運動の抗議デモが始まってから1ヵ月が経過したが、その波は、思わぬ方向へ拡大している。企業やアーティストが、次々にネーミング変更をしているのだ。 【写真特集】セクシー女優から受付嬢まで、トランプの性スキャンダル美女たち 19世紀創業の米老舗食品メーカー、クエーカーオーツ(Quaker Oats)社は今月17日、シロップやホットケーキのパッケージデザインにあしらわれていた人気商品、アント・ジェマイマ(Aunt Jemima)のブランド名変更を発表した。消費者にすっかりなじみのある黒人女性のジェマイマ叔母さんがマスコットキャラクターだったが、もとは白人が黒塗りして演じたショーのキャラクーにちなんで名付けられた背景があるとし、同社には変更の依頼が多く寄せられていた。 アーティスト名を変える動きも出ている。カントリーミュージックバンドのレディ・アンテベラム(Lady Antebellum)はレディ・エー(Lady A)に、ザ・ディクシー・チックス(The Dixie Chicks)はザ・チックス(The Chicks)に、それぞれバンド名を変更した。 それぞれ米南部出身のバンドで、活動名は土地柄の歴史に由来していたが、いずれも奴隷制時代を想起させるものだったため、昨今の差別問題に配慮したようだ。 例えば、アンテベラムとはアンテベラム・サウス(Antebellum South)、つまり「南北戦争以前の時代」という言葉の一部で、南部の地域経済が奴隷制度により大成長を遂げた時代だ。またディクシーはディキシーランド・ジャズ(Dixieland Jazz)という言葉からも想像しやすいが、これもそのような時代の南部をイメージさせる言葉だ。ちなみに、メイソン-ディクソン線(Mason-Dixon line)という、メリーランド州とペンシルベニア州の州境に引かれていた線があるが、この線より南は奴隷制存続を主張していた歴史がある。 また、4月のことだが、バターの人気メーカー、ランド オー レイクス(Land O'Lakes)がパッケージを一新した。以前はネイティブアメリカンのイラストが描かれていたのだが、そのイラスト部分が除いたものに変更した。 こうしたパッケージデザインの変更はよく行われていて、昨年も、動物愛護の観点からお菓子のパッケージの動物のイラストに変更されたことがあった。 ■ 「ホワイトニング」もNG? 世界各国でも進むネーミング改革 BLM運動の流れにおける名称変更の動きは、アメリカから世界中に広がっている。オーストラリアのビール醸造会社で「植民地ビール」という意味を持つコロニアル・ブルーイング(Colonial Brewing)は、オーストラリアをはじめとする諸外国で起こった植民地化により先住民族が危害を加えられた歴史を省み、社名変更の検討をしているという。 また、英リバプールにあるペニー・レーン通りは、ビートルズの名曲『ペニー・レーン』でもおなじみだが、この名前も奴隷船のオーナー名に由来するのではないかということで、名称変更が議論されている。 一方、英&オランダに本拠地を置き、ダヴなど人気スキンケアを取り扱うユニリーバ(Unilever)社は25日、同社製品から明るい肌色やトーン(色調)をさす「ホワイトニング」「ライトニング」「フェアネス」などといったワードや表現を、数ヵ月以内に商品名から削除すると発表した。 同社は変更の背景として「美しさの多様性を称賛するブランドとして、肌の色調に関係なくどのような肌色でも綺麗に輝けるようサポートする」ことが理由にあるとした。 同社の方針転換はアメリカの消費者に歓迎されることだろう。これはBLM運動より以前からある価値観だが、色白が美のバロメーターになっていないからだ。もちろん多様性もあるのだが、日焼けをしていた方がより健康的に見えるということで、天気の良い日は水着になって公園やビーチで日焼けをする人が多い。 今後は日本を含む世界中で、ネーミングや美の価値観などについて企業や著名人はより敏感になり慎重な発信が求められていくだろう。

安部かすみ

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