Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

<北朝鮮報告for Pro>制裁にコロナ禍…経済はどうなっているのか(5) 金政権のコロナ対応を内部調査 成果の一方で経済は大混乱 石丸次郎

記事提供終了日:

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
アジアプレス・ネットワーク
<北朝鮮報告for Pro>制裁にコロナ禍…経済はどうなっているのか(5) 金政権のコロナ対応を内部調査 成果の一方で経済は大混乱 石丸次郎

住民は職場別、組織別に政治集会や思想学習に頻繁に動員されるが、「三密」な環境が多くコロナ感染の温床になりかねない。 写真は2013年6月に両江道で開かれた女性対象の思想学習の様子。撮影アジアプレス

北朝鮮当局は5月15日時点まで「新型コロナウイルス感染者ゼロ」と主張し続けている。本当だろうか? 実情を調べるため、筆者は1月後半から北朝鮮各地に住む取材協力者たちと調査を進めてきた。  結論から書こう。私たちの調査と国営メディアの情報を総合すると、金正恩政権はコロナウイルスの初期拡散阻止に大きな成果があった。中国との往来の早期遮断と隔離措置が功を奏したようだ。ただ、その陰には、外部世界には見えない悲惨な事態、多大な犠牲もあったと思われるが。 1月中旬、中国・武漢市で新型肺炎流行の情報が流れると、北朝鮮は春節の観光シーズンが始まる直前の22日から外国人の入国を中断した。さらに1月末には中国国境を封鎖して貿易も止めた。国内はまるで戒厳令が敷かれたような状況だった。外国人と接触した貿易関係者や税関員らは、30日間も隔離された。「マスク検問」まで実施した。列車は動いているが、自動車を使っての物流と人の移動はほぼ止められた。 国内の対応は強権的だった。中国と隣接する北部地域では、国境河川への接近は軍法で処罰するとの通達が住民と職場に出された。2月には、中国と往来した密輸屋や隔離施設から逃げ出した人が射殺されたという噂が広く流れた(恐怖心を与えるために当局がフェイク情報を流した可能性もある)。 北朝鮮の保健当局が世界保健機関(WHO)の平壌駐在事務所に伝えた報告によると、4月初旬までに約2万5000人視対象」、つまり隔離したとしている。この数字が正確なのか不明だが、「感染者ゼロ」でこの隔離数は異常に多い。協力者によれば、幹部はホテル、一般労働者は職場の事務所や倉庫で隔離された。家族全員を1カ月間、家から一歩も出られなくした事例もあった。隔離期間中の食事は自己負担だったという。 人権や個人の事情を全く考慮しないで済む強権政権ならではの迅速、強引な対応は、医療・保健体制が劣悪であるという自覚があることの裏返しだ。在米韓国人で13年間も北朝鮮の一流病院と交流を続けてきたパク・ギボム教授は「人工呼吸器は50台もないだろう」と述べている。 一度強力な感染症がまん延すると自力で制圧するのは困難で、外部からの支援と介入は不可避、もし軍隊や保安機関、党機関、平壌中枢などで感染が拡大すると、体制運営に支障が生じるとの危機感があった、と筆者は見ている。 ◆合理的な診察と乏しい医療物資 医療現場の実態を調べるため、北部の両江道、咸鏡北道(ハムギョンプクド)などの取材協力者たちに、実際に病院、診療所に行ってもらった。すると、意外に合理的な対策を採っていることが分かった。

本文:3,328文字

写真:2
  • (参考写真)鴨緑江辺で沐浴、洗濯する若い兵士たち。あばらが浮いている者も。このような外出もコロナウイルス感染を警戒して禁止されている。写真は2017年7月平安北道朔州郡を中国側から撮影石丸次郎

続きをお読みいただくには、記事の購入が必要です。

アジアプレス・ネットワーク2020/11/27(金)に本サービスの提供を終了いたします。
終了後、本記事は削除されます。

すでに購入済みの方はログインしてください。

税込110
PayPay残高
T-POINT
使えます
サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください購入した記事は購入履歴で読むことができます。

アジアプレス・ネットワークの有料記事

PayPay残高使えます