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「コロナでも増益」のAGCがバイオ医薬品製造工場を買収した理由…成長分野「受託製造」事業を拡充へ

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BUSINESS INSIDER JAPAN

AGCは6月2日、アストラゼネカ社が米コロラド州に保有しているバイオ医薬品原薬製造工場を買収したことを発表した。 【全画像をみる】「コロナでも増益」のAGCがバイオ医薬品製造工場を買収した理由…成長分野「受託製造」事業を拡充へ 製薬業界では近年、医薬メーカーが製造工場を売却して研究開発にリソースを割く一方で、製造プロセスの開発や実際に商用に移る際の製造を他社に委託する「CDMO」の流れが進んでいる。 AGCのバイオ医薬品CDMO事業を含む「ライフサイエンス事業」は、今後成長が期待される3つの戦略事業のひとつ。2025年には1000億円以上の売り上げ規模を目指し、積極的な設備投資を進めてきた。 同社広報は、 「これまで受託していた案件が商用フェーズに入り、需要が増えてきたため、新しい製造工場を求めていました」 と今回の買収の背景を語る。 同社のライフサイエンス事業はここ数年、堅調に成長している。 5月18日に行われた2020年12月期第1四半期決算をみると、新型コロナウイルスの流行によって自動車や建設用ガラス事業の業績が悪化する一方、電子部材や液晶用ガラス基板、そしてライフサイエンス事業は好調。 結果的に第1四半期の営業利益は223億円と、前年同期と比べて約15億円の増益となった。 今後、新型コロナウイルスの影響で建設事業などに関わるガラス事業の不調が見込まれる中で、引き続きライフサイエンス事業には成長が期待されているという。

米国で治験進む「新型コロナ治療薬」の商用製造も可能

今回AGCが買収したアストラゼネカの工場は、CDMO事業の中でも動物細胞を使ったバイオ医薬品の製造用となる。 バイオ医薬品とは、動物細胞や微生物の中で生成された成分を抽出することで製造される医薬品だ。こういった医薬品を商用に大量生産するには、供給量に応じた巨大な培養装置(リアクター)が必要になる。 買収した工場は、総容量2万リットルの動物細胞用ステンレスバイオリアクター2基(4万リットル分)を備えており、敷地内には同規模のリアクターをさらに4基追加設置する余地も残されているという。 AGCが抱える動物細胞用のリアクターは、2018年の段階で3万6000リットル(大量生産向けのリアクターと希少疾患向けのシングルユースのリアクターを合算)。 2021年には、合計10万3000リットル(うち、大量生産向けは4万7000リットル)にまで増強する計画。今回の買収によってそのうち約40%を確保できたことになる(大量生産向けリアクターだけでみると約85%)。 また、AGCは、アメリカで新型コロナウイルス用の治療薬の候補としての治験が進められているCytoDyn社の「レロンリマブ」(HIVなどの治療薬)の製造を受託しており、仮に新型コロナウイルスの治療薬として認可されれば、今回買収した工場を使って大量生産することも予想される。 なお、AGCは、工場の本格的な稼働を2021年4月に目指しているとしている。 (文・三ツ村崇志)

三ツ村 崇志

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