韓国食い倒れ飲み倒れグルメツアー~チョンジュ、チョナン(前編)【「新型コロナウイルス学者」の平凡な日常】
■日本と韓国の「アカデミア(大学業界)」の違い 食事中、日本と韓国の間での「アカデミア(大学業界)」のシステムの違いが話題になった。 まず、韓国のアカデミアでは、役職と年齢が強く相関するという。「X年間で論文をX報」というノルマを達成すれば、Assistant Professor(日本でいう「助教」)からAssociate Professorに(日本でいう「准教授」)に、そして次のノルマを達成すれば、Full Professor(日本でいう「教授」)に昇進できる、という仕組みらしい。 いわゆる会社の昇進人事のようで、一見理にかなっているようなところもあるようにも思うが、逆に一定の期間中にどれだけたくさんの成果を出しても、その時限を待たなければ昇進できないのだという(つまり韓国では、現在の私の年齢でFull Professor=教授になることは原則ありえないらしい)。 また、私は、京都大学で助教になり、東京大学で准教授(と教授)になった。日本のアカデミアではそのように、大学や研究機関をまたいで昇進していくのが一般的であり、ひとつの研究機関で昇進していく、というケースはあまりない。欧米のアカデミアも、日本のような昇進ケースであることが多いと思う。 しかし韓国のアカデミアでは、最初にAssistant Professor(助教)になった大学・研究機関で、上記のようなシステムで昇進していくのが一般的で、助教として着任した後に、他の研究機関に異動する、ということはほとんどないらしい。そういう意味でも、韓国のアカデミアのシステムは、やはり会社のそれと似ているのかもしれない。 そして、これはどこか別の国でも聞いた話であるが、『ネイチャー』や『セル』『サイエンス』などの最高峰のジャーナルに論文を発表すると、ボーナス(賞与)がもらえるらしい。ただただうらやましいかぎりである。「そんなシステムが日本にもあったら」と思ったりしてしまうのは世の常であろう。そんなシステムがあったら、私は今頃......。