長濱ねるが「60代女性の離婚」から考える「個人の尊厳」と「幸せの追求」
発信することで社会や未来へ“つなげる”
長濱ねるが日常生活で学んだこと、発見した気づき、周りの人と話したいことをトークテーマに発信する連載。 【写真】今月のねるさんのプライベートショットを連続写真で見る あらゆる多様な価値観や文化の違いを理解する、しなやかな思考を育むため、日常での気づきや仕事で学んだこと、感情の変化をシェアしていく。 長濱ねるから皆さんへ“つなげる”、そして社会や次世代に“つなげる”。そんな思いと希望を込めて。 「こんにちは、長濱ねるです。今回は、ドラマ『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』に出演させていただいて思ったこと、身近な人のお話や国連の女性差別撤廃委員会による日本政府への最終見解の発表などのニュースを見て、個人の尊厳を守ることの重要さについて考えてみました」
それぞれの「幸福のカタチ」を尊重したい
「現在、私が出演しているドラマ『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』は、タイトルの通り、150年以上前に出版された『若草物語』が原作です。現代の日本版に変換され、4姉妹それぞれの幸せを描いています。その中で、堀田真由さん演じる次女・涼は、“恋も結婚もしない”という役所。150年以上の時を経た現代では、幸せ=結婚ではないという涼のような考えはさらに多くなっていると思います。 社会制度の一つである“結婚”を選択しないのは、人それぞれ異なる理由がありますが、多様なセクシャリティが存在しているということも理由の一つだと思います。他者に恋愛感情をいだかないセクシャリティを“アロマンティック”と呼びます。そして、異性に対して恋愛感情をいだく“ヘテロロマンティック”、心が強く結びついた相手に対してのみ恋愛感情をいだく“デミロマンティック”と呼ぶなど、今回の取材でさまざまなセクシャリティの名前を教えていただきました。他者に対して性的欲求をいだかない指向を“アセクシャル”ということは知っていましたが、セクシャリティはもっと細かく分類されているんですね。 『自分は“普通じゃない”。もしかして、変なのかも?』など不安に思っていた方は、多様なセクシャリティの存在や名称を知ることで、気持ちが少し楽になるのかもしれないと思いました。そして、当事者でなくともそれを知ることで、その方たちの立場を想像できるようになるはず。“恋愛前提”での会話は決して当たり前ではないこと、知らないが故の決めつけによって目の前の人を傷つける可能性があるということにも改めて気を配りたいと思いました。 『まだ結婚しないの?』『早く子供作りなよ』という言葉も、悪気なく、時には良かれと思って出てくる言葉かもしれませんが、たとえ家族や親しい間柄であっても、その質問によって傷つき、しんどくなってしまう人もいるということを忘れないようにしたいです。 みんながみんな、恋愛をしたいと思っているわけではない。結婚をしたいわけでもない。子どもが欲しいわけでもない。誰かの幸福のカタチを自分の幸福の型に当てはめることなんて、到底できないんだと改めて思いました」