「被爆体験者」救済めぐる裁判 勝訴原告の半数が裁判続けるのが難しい状況【長崎市】
原爆投下時、国が定めた「被爆地域」の外にいた「被爆体験者」が被爆者認定を求めた裁判をめぐり、1審の長崎地裁で勝訴した原告15人のうちの半数が、体調面などの理由で裁判を続けるのが難しい状況にあることが分かりました。 「被爆体験者」が被爆者認定を求めた裁判で、1審の長崎地裁は今年9月、「被爆地域」の外の東長崎地区に放射性物質を含んだ「黒い雨」が降ったとして、原告44人のうち15人を被爆者と認める判決を出しました。 被告の県と長崎市は国の意向を受け、過去の裁判との整合性などを理由に控訴、その後、原告側も控訴し裁判が続くこととなりました。 29日に始まった市議会11月定例会の一般質問で市民クラブの池田章子議員は、1審で勝訴した15人のうちの半数が・死亡した・1人で外出ができない・がんで入院している、などの理由で裁判を続けるのが難しい状況に陥っている、として「市の控訴の判断は間違っていたのではないか」と質しました。 池田章子議員 「15人のうち話を聞くことができた人の思いを伝えたい」「高裁は長引くのでつらい、20年近く争ってやっと勝ち取ったのに市長がすみませんと言っていたのを見たがそれで済む話ではない、市と県が被告じゃないか、国の言いなりだ、裏切られた、今回も私たちの立場に立ってくれなかった」 鈴木史朗市長 「被爆体験者の皆さん、特に15人に申し訳なく思う」 鈴木市長は「国の控訴の判断に従った」と改めて説明した上で、裁判とは別に、今後も国に対し被爆地域の拡大など救済を求めていくと述べました。 2審の福岡高裁での第1回口頭弁論は2025年2月18日の午後2時から開かれます。
テレビ長崎