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今年も40度超え…日本列島を襲った「異常高温」、その現象を解説する

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現代ビジネス

 日本列島は南の暖かい空気と北の冷たい空気の境目にあり、どちらが優勢になるかで寒暖が決まる。 【写真】コロナの裏で、中国に「ヤバすぎる数」のバッタの大群が襲ってきた…!  南方からの暖かい空気が流れ込み、かつ高気圧に覆われると晴れた日が続き下降流による断熱昇温で高温となる。  なかでも猛暑は、このような気象状況にフェーン現象の発現、さらに長期的な地球温暖化が関わって起こるものである。

今年の夏も「猛暑」が続いた

 今年の夏も全体としては暑かった。  7月は天候不順だったが、6月と8月の気温は全国的に高く、ともに東日本で1位、西日本では1位タイの高温だった。  気象状況としては、まさに、日本付近に暖かい空気が入りやすく、高気圧に覆われ、晴れて強い日射の影響を受ける日が多かったためである。  2018年の夏も同様に高温だった。特に2018年7月の東日本の平均気温は平年(1981~2010年の平均)を2.8℃も上回った。  天気図的には、太平洋高気圧(下層の高気圧)とチベット高気圧(上層10~15キロメートル付近の高気圧)が、日本付近でともに強まった。  その一因として、海面水温がインドネシアやフィリピン周辺で平年よりかなり高くなり、積雲対流活動が活発だったことが指摘されている。  フィリピン付近のこの活発な積乱雲域で上昇した気流が、日本付近で下降し、高気圧の強い状態が続いた。

温暖化の寄与、イベント・アトリビューション

 日本の気温は年々から数十年程度の様々な変動を繰り返しながら長期的に上昇しており、猛暑日(日最高気温35℃以上の日)の日数は1990年代半ば頃を境に大きく増加している。極端な高温には、長期的な地球温暖化が影響している。  日本の年平均気温は100年あたり+1.24℃上昇しており、顕著な高温を記録した年は、1990年代以降に集中している。高温の第1位から第5位は順に、2019年、2016年、1990年、2004年、1998年である。  ちなみに世界平均気温の上昇は100年あたり+0.74℃である。世界平均と比べて、日本の気温は年々の振れ幅が大きく、かつ気温変化率も大きい。  ではこの日本の熱波に対して、地球温暖化はどれだけ寄与しているのだろうか。  これまでは、過去に数回しか発生したことのない異常気象に対して、地球温暖化の影響を評価することは不可能だった。  近年、数値シミュレーションにより実際に起こった個々の異常気象事象(イベント)を再現する能力が向上し、かつ計算機能力の飛躍的な発展により、大量のシミュレーションを実施することができるようになった。  気候モデルを用いて、過去に記録された実際の温暖化がある気候条件と、温暖化がなかったと仮定した気候条件のそれぞれについて、大量の計算結果を作り出して比較する「イベント・アトリビューション(極端事象の原因特定)」という研究手法である。  研究の結果、2018年7月のような猛暑の発生確率が、地球温暖化の影響を受けている気候においては約20%であったのに対し、地球温暖化の影響がなかったと仮定した場合(工業化以降の人間活動による温室効果ガスの排出がないと仮定した場合)においてはほぼ0%であった。  すなわち、人間活動による温室効果ガスの排出に伴う地球温暖化を考慮しなければ、このような猛暑は起こり得なかったことが明らかになったのだ。

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