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政府が進める「ワーケーション」休暇中にまで働く意味とは

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アスキー

政府が休暇中に仕事をする「ワーケーション」の促進を提唱。フリーとしてワーケーションを経験した立場で意味を考える。 【もっと写真を見る】

 休暇を取りながら働く「ワーケーション」の促進を政府が提唱したことが、大きな話題になっています。ネット上では「休暇中にまで働きたくない」という声が挙がる一方、「休暇が取れない」人の新しい働き方として、可能性を感じる部分もあります。   ■休めない人でも「休暇が取りやすくなる」  ワーケーションはワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語で、米国などで広まっている働き方です。日本でも和歌山県や長野県が積極的に取り組んでいるようです。    休暇中に働く、という概念に抵抗を覚える人は多いでしょう。JTB総合研究所の調査では、2割程度の人が「仕事とプライベートは完全に分けたい」と答えています。本来であれば、仕事から完全に離れた長期休暇を誰もが自由に取れることが理想です。    一方で、「プライベート旅行先での仕事が業務として認められれば休暇が取りやすくなる」という人も3割近くいます。ゴールデンウィークのような連休をフルには休めないという人でも、ワーケーションなら1週間の海外旅行に行ける可能性が出てくるわけです。    背景にはテレワークやリモートワークの普及があります。テレワークと在宅は必ずしもイコールではなく、インターネットに接続できる場所ならどこにいてもよいのではないか、と考えるのは自然な流れといえます。   ■旅費の問題など課題は多い  フリーランスとして働く筆者の場合、年に数回の海外取材時には、ワーケーションに近いスタイルで仕事をしています。    現地では安いアパートを借りて1~2週間滞在し、日本にいるときと同じように取材や執筆の仕事を進めます。夜や週末など、時間に余裕があるときは現地での観光を楽しめるのがメリットです。    気になるのは費用面です。会社勤めの人なら、仕事をした時間は勤務したものとみなされます。しかし旅費については、会社持ちか個人持ちかで大きな違いがあります。個人持ちになると、旅先の宿代と自宅の家賃で二重の負担が生じることになります。    1つの解決策としては、自宅を民泊などで誰かに貸し出し、その家賃で旅費をまかなうという方法があります。日本では数週間の休暇中に自宅を貸す習慣がないものの、海外ではよくあるもので、筆者も家主が休暇中のアパートに何度か滞在したことがあります。   ■デメリットを上回るメリットはあるか  ワーケーションで仕事の生産性は上がるのか、という問題もあります。ワーケーション用の施設やWeWorkのようなシェアオフィスならともかく、普通のホテルは仕事に最適化されておらず、Wi-Fiの速度、デスクや椅子の使い勝手は部屋に入ってみるまで分かりません。    一方、休暇中に得られる経験によって、トータルでプラスになるという考え方もあります。筆者の場合、海外での滞在は費用ばかりかかって儲けにつながらないものの、そこで得られた経験は人生の財産として確実に積み上がっています。    こうした働き方は筆者がフリーランスという特殊な働き方だからできることで、一般には勧めづらいところがありました。ときどき、世界一周のために会社をやめる人もいますが、ワーケーションなら会社勤めを続けられます。    最近では日立製作所や富士通など国内の大手企業がテレワークの常態化に向けて移行を進めています。理由の1つには「テレワークができない会社に優秀な人は来ない」という人材獲得に向けた競争があります。その次のステップとして、ワーケーションの導入に期待できる状況です。    新型コロナの拡大は続いており、実践に移すのは難しい状況が続いているものの、場所を選ばない働き方のひとつとしてワーケーションという選択肢が増えることは歓迎したいところです。   文● 山口健太 編集● ASCII

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