女優たちの迫力の演技…漫画実写化作品での「美しすぎた大胆シーン」
■沢尻エリカさんの美しさが止まらない『ヘルタースケルター』
80年代から90年代に生々しい性描写と強烈な愛を織り混ぜた数々の名作を生み出し、多くの漫画家に影響を与えた鬼才・岡崎京子さんの同名漫画を実写化した2012年公開の『ヘルタースケルター』。監督は、『さくらん』同様、蜷川実花さんが務めた。 主人公は、全身のほぼすべてを整形してスーパーモデルになった“りりこ”こと比留駒はるこだ。誰もが羨む美貌を手に入れたりりこは、次第に全身整形の副作用に苦しみ始める。追い打ちをかけるように天然美人のこずえの登場や恋人の裏切り、整形のリークが起こり、肉体も精神も壊れてしまったりりこは破滅の一途をたどっていく。 美に執着し、次第に常軌を逸していくりりこを演じていたのが、同作が5年振りの映画カムバックとなった沢尻エリカさんだ。同作を一言で表すならば、沢尻さんのための映画と言ってもいいかもしれない。それほど、圧倒的な美貌で人々を魅了する沢尻さんが完璧な美しさで芸能界を席巻するりりこという役柄にハマった作品だ。 原作のりりこは過激な性描写が多かったが、沢尻さんはそんなシーンにも堂々と挑んだ。恋人・南部貴男(窪塚洋介さん)とメイクルームで愛し合い、プロデューサー浜口幹男(哀川翔さん)とベッドをともにし、マネージャー・羽田美知子(寺島しのぶさん)に体をまさぐらせ、美智子の恋人・奥村伸一(綾野剛さん)を奪って絡み合う。 美しい体を惜しげもなく披露し、俳優との絡みも大胆にこなす姿は迫力満点。そこに、蜷川氏が作り出す極彩色の映像美が加わり艶やかさを引き立てていた。 公開前の撮影現場会見では、リハの段階から脱いでいたことが明かされた沢尻さん。その大胆さと勇気に賞賛の声が上がると、「ラテン系だから」と笑顔を見せ、「原作をリスペクトしているので」とりりこへの想いも語っていた。同作での熱演は多方面から高い評価を受け、沢尻さんは日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞している。