三井物産、ザンビア銅鉱山の権益獲得に最高額で入札-関係者
(ブルームバーグ): 三井物産が、カナダの鉱山会社ファースト・クァンタム・ミネラルズ(FQM)がザンビアに所有する2つの銅鉱山の権益獲得に向け、最高額で入札したことが、関係者への取材で分かった。
非公開情報を理由に匿名を条件に語った関係者によると、三井物は競合相手となっているサウジアラビアのマナラ・ミネラルズ・インベストメントの提案よりも高い額を提示したという。三井物はセンチネル鉱山とカンサンシ鉱山の約20%の権益を20億ドル(約3000億円)近くで取得することを検討している。
三井物は、FQMと取引条件の交渉を進めているという。協議が成約に結び付くかどうかは不透明で、別の買い手が現れる可能性やFQMが権益売却自体を見送る可能性もあるという。マナラ、FQMの担当者はコメントを控えた。三井物に問い合わせたものの、現時点でコメントは得られていない。
銅は新規の鉱山開発が進んでいない一方で、電気自動車(EV)や太陽光発電など再生可能エネルギーの設備に欠かせないため需要が増加している。こうした背景からさまざまな投資家の関心を集めている。FQMのザンビア鉱山は、同社の銅生産量と収益の約半分を占めるという。
--取材協力:William Clowes、吉田昂.
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Archie Hunter, Thomas Biesheuvel, Vinicy Chan, Dinesh Nair