結局さぁ……日産[GT-R] とヒョンデ[IONIQ5 N]って結局どっちが良いの??
■岡本幸一郎はこうジャッジする
この2台に共通点はほぼない。GT-Rは絶対的な速さを追求して開発された。そして、当初はニュルでタイムを出したクルマと中身が同じクルマがそのままユーザーの元に届けられるところに大きな価値があった。 ところが快適性等の面で難があったのは否めず。そこで現開発責任者は、タイムを追求するNISMOと、ロードゴーイングカーとしての究極的な姿を追求した標準系に切り分けた。 一方のIONIQ5 Nは、ヒョンデがモータースポーツで培ってきたノウハウを活かし、量販BEVの性能を徹底的に引き上げて、サーキットを走ることに特化して開発されたものだ。 性能の限界に挑戦するとともにエンタメ性を追求して、サウンドやビジュアルによる演出をてんこ盛りにしているのも特徴だ。その完成度が驚くほど高いことにも感心した。いい意味で、すごくよくできた大人のオモチャという感じがする。 かたやGT-Rは、楽しさや官能的な類いのものは追求していない。演出的な要素というとアクセルオフ時のバラバラという音が出るぐらい。それでも乗ると心が動かされ、胸に響くものを感じさせるのもGT-Rの凄いところだ。 実は出力やトルクのピーク値ではIONIQ5 Nがだいぶ上回っているのだが、実際に走るとGT-Rのほうが速いし安定している。 日本専用に足まわりをチューニングしたというIONIQ5 Nもよくできているものの、改良を重ねたGT-Rの路面をガッチリ捉える感覚はさらに凄い。 全体としては、面白さではIONIQ5 Nに、質の高さではGT-Rに軍配としたい。 それにしてもIONIQ5 Nが、これほど高いパフォーマンスをこの金額で実現しているというのはたいしたものだと思う。 ●日産 GT-R……デビューから17年を経ても第一級の性能 ●ヒョンデ IONIQ5 N……運転が楽しくなる仕掛けが満載!楽しい!! ●日産 GT-R プレミアムエディションT-Spec ・価格:2035万円 ・WLTCモード燃費:7.8km/L ・全長:4710mm ・全幅:1895mm ・全高:1370mm ・ホイールベース:2780mm ・車両重量:1760kg ・前軸重/後軸重:970kg/790kg ・エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ ・総排気量:3799cc ・最高出力:570ps/6800rpm ・最大トルク:65.0kgm/3300-5800rpm ・トランスミッション:6速DCT ・最低地上高:110mm ・最小回転半径:5.7m ・サスペンション:F=ダブルウイッシュボーンR=マルチリンク ・タイヤサイズ:F=225/40R20R=285/35R20 ●ヒョンデ IONIQ5 N ・価格:858万円 ・一充電走行距離:561km ・全長:4715mm ・全幅:1940mm ・全高:1625mm ・ホイールベース:3000mm ・車両重量:2210kg ・前軸重/後軸重:1110kg/1100kg ・モーター:交流同期電動機 ・総電力量:84.0kWh ・最高出力:F=175kW(237.7ps)R=303kW(411.7ps) ・最大トルク:F=370Nm(37.7kgm)R=400Nm(40.8kgm) ・トランスミッション:― ・最低地上高:142mm ・最小回転半径:6.2m ・サスペンション:F=ストラットR=マルチリンク ・タイヤサイズ:275/35R21