【ディーラーで販売されたペースカー仕様車】全て買った当時のままという驚きのクルマ|1980年式 セリカ・スープラ・ペースカー・エディション Vol.1
【1980年式 セリカ・スープラ・ペースカー・エディション Vol.1】 北米市場でのダットサン240Zの成功は、彼の地での日本車セールスを大きく刺激した。特にトヨタを扱うディーラーたちは240Zの向こうを張るクルマを欲しがり、トヨタはセリカに6気筒を積んだ上級車種、セリカ・スープラ(日本名セリカXX)を開発し、北米市場に送り込んだ。こうした背景から、日本に比べA40/50の北米での生存率は比較的高く、「スープラ・マークI」の呼称でいまでも多くのトヨタファンたちに親しまれている。 通常ならナンバーが付く場所に付けられた車名入りのガーニッシュなど【写真11枚】 そんなわけで年に1度ロング・ビーチで開かれるトヨタ車の集い「オール・トヨタ・フェスト」にスープラ・マークIがエントリーしていても珍しい事ではなかったのだが、このクルマは少し違った。ボディサイドに入れられたTRDストライプ、そしてナンバーを移設してまで装着された「Supra」ロゴのガーニッシュ。このスープラを新車時から所有しているオーナーのラルフ・ロドリゲスさんによれば、「全て買った当時のまま」であり、当時このままの状態で、ペースカー・エディションとしてディーラーで売られていたという、驚きのクルマだったのだ。 確かにスープラ・マークIは、トヨタが冠スポンサーを務めるロングビーチ・グランプリで、オフィシャルペースカーに使用された過去があり、当時の広告でその姿を確認することができる。そのカラーリングはこのクルマとほぼ同様で、サイドストライプに加えてエンジンフードやドア上にも「Supra」のロゴが入っている。しかし、全米中から生粋のトヨタファンが集まるトヨタ・フェスト会場でも、この市販版ペースカーの詳細を知っている人間は皆無で、そのバックグラウンドに関してはいろいろと謎が多い個体だ。 Vol.2に続く 1980年式 セリカ・スープラ・ペースカー・エディション(MA46)主要諸元 ●全長4600mm ●全幅1650mm ●全高1310mm ●ホイールベース2630mm ●トレッド前後とも1365mm ●最低地上高160mm ●室内長1645mm ●室内幅1360mm ●室内高1075mm ●車両重量1190kg ●乗車定員5名 ●登坂能力tanθ0.61 ●最小回転半径5.3m ●エンジン型式4M-EU型 ●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC ●総排気量2563cc ●ボア×ストローク80.0×85.0mm ●圧縮比8.5:1 ●最高出力140ps/5400rpm ●最大トルク21.5kg-m/3600rpm ●変速比1速3.287/2速2.043/3速1.394/4速1.000/5速0.853/後退3.657 ●最終減速比4.039 ●燃料タンク容量61L ●ステアリング形式ボールナット式(パワーステアリング) ●サスペンション前/後ストラット式コイルスプリング/4リンクラテラルロッド式コイルスプリング ●ブレーキ前後ともディスク ●タイヤ前後とも185/70HR14 ●発売当時価格190.9万円(データはセリカXXのもの)
Nosweb 編集部
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