【ホープフルS】2戦2勝馬に栄光 「前走1番人気」「ディープ産駒」など満点評価の1頭は?
名馬が出現するレース
2020年のJRA最終週は豪華GI2本立て(J・GIを含むと3本)。まずは土曜日、12月26日に中山競馬場で行われる第37回ホープフルSだ。2017年にGIへ昇格してから、有馬記念を差し置いて(言い方が悪い?)トリを飾っていたが、今年はこれまでの28日ではなく、有馬記念の前日に当たる26日に行われる。 【有馬記念 2020予想】東大、京大式!フィエールマン軽視の理由は?東大HCは◎イチオシ爆穴馬で勝負! このレースは同じく年末に阪神で行われていたラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)が前身で(回数を引き継いでいる)、2014年から場所を中山に移して行われている。同時にGIIに、そして2017年からGIへ昇格となった。 ラジオNIKKEI杯時代はのちの活躍馬が出現することで有名で、2000年以降だとアグネスタキオン、ジャングルポケット、アドマイヤムーン、ヴィクトワールピサ、エピファネイアなどが連対馬に名を連ねており、そのほかにも書き切れないぐらいの名馬が誕生している。 中山へ移行してからの勝ち馬であるシャイニングレイ、ハートレーが連続で大ケガをした時は「呪われたレース」などという縁起でもない声も聞こえてきたが、以降はレイデオロ(ダービー、天皇賞・秋)、サートゥルナーリア(皐月賞)、そして今年牡馬三冠を達成したコントレイルを出して、出世レースの面目躍如となっている。 昔ほどでなくても、年末の中山といえば馬場が荒れているイメージ。そんな状態で行われるGIで全力疾走することは、若馬にとって決してリスクは低くない。しかし、その先にあるものは栄光への道。今年の出走馬からも、偉大な先輩たちに続く馬が出現することを期待しつつデータ分析をしていこう。参考にするのは中山へ移行した2014年から6年間。いつもよりデータが少ないのは不安だが、何とか勝ち馬を探し出したい。
関西馬の本気
前身はラジオNIKKEI杯2歳Sと書いたが、2013年以前にも同名のレースが中山で行われていた。ただラジオNIKKEI杯と同時期、同距離、そして格が劣る(オープン)こともあり、ラジオNIKKEI杯ほどメンバーが揃わないことが多かった。年末の中山で行われることが嫌われていたのか、重賞に昇格して最初の2年も目立った活躍馬は出なかったが、3年目以降は前述の通りのちのクラシック馬が続々誕生している。 格が上がるということは賞金も上がるということで、メンバーの質がよくなるのは当然のことだろう。それを象徴していると思われるのが所属別のデータ。栗東所属馬のGII時代(2014~2016)の成績が【1-0-2-13】に対し、GI昇格後(2017~2019)は【3-3-1-20】。GII時代は1頭しか連対していなかったのに、GI昇格後は独占状態。出走頭数も大きく増えており、賞金が上がったことにより関西勢が本気を出したという証拠だろう。 同じ2歳GIである阪神JFや朝日杯FSと同様、このレースも1戦1勝の馬から、夏にデビューしてキャリアを重ねてきた馬まで幅広く参戦してくる。そんな中で、連対例が最も多いのはキャリア2戦組。レイデオロ、サートゥルナーリア、コントレイルの3頭も2戦2勝からのホープフルS勝ちであった。 キャリア1戦組も10頭が出走して2勝というのも悪くないが、キャリア3戦、そしてキャリア5戦以上を超える組から勝ち馬は出ていない。 キャリアの浅い馬が活躍しているということは、同時に前走着順もいい馬が結果を出している。連対馬12頭中、前走1着馬が11頭を占めており、残る1頭も前走2着だった。少なくともこの項目はクリアしておきたいところだ。 前走人気も同様で、前走で1番人気に推されていた馬が10連対。残る2頭は2、5番人気だったので必須ではないが、前走で1番人気に支持されていた馬が結果を出しているのは間違いない。 今回はデータが少ないので、冬場の中山芝2000mにおける種牡馬成績も調べてみた(2014年1月1日~2020年12月13日)。対象は今回登録している出走馬の父系。1位はディープインパクトで、冬場で力が要る状態であろうと全く関係なしである。 2位はキングカメハメハ。ディープインパクトには及ばないが、こちらも連対率が20%を超えている。3位ロードカナロア、4位エピファネイアは出走頭数が少ないので一概に比べられないが、ディープインパクトの勝率、連対率とほぼ同じ。モーリスやキズナも同様に高い適性を示している。 最後にセール出身馬の成績を。セール出身の馬の成績は【0-3-1-29】、セレクトセール出身馬は【0-1-1-19】。勝ち馬は出ていないが、1億円以上の値で取引された馬は【0-1-1-1】とそれなりの結果を出している。また500万から1000万円未満の価格帯の馬も【0-2-0-4】と大善戦。なぜか中間価格帯から好走馬が出ていないところが面白い。