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JTB新社長が描く未来、デジタルとリアルの融合で目指す「新交流時代」から店舗改革まで方針を聞いてきた

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トラベルボイス

Go To キャンペーンで国内旅行市場復活へ

JTBの2019年度連結決算では、第4四半期でのコロナ禍の影響が大きく、減収減益となった。現在、外務省の海外危険情報と感染症危険情報のレベルは下がらず、各国も入国制限を継続していることから、海外旅行ツアーはすべて止まったまま。緊急事態宣言下の4月には、この危機に対応するために1400億円の資金調達に動き、それも決まったものの2020年度も厳しい状況が続くと見られている。 そのなかでも、山北氏は「行けるようになったら旅行に行きたいという需要は強い」と前向きだ。国内旅行では、近場とファミリーから戻り、年内には通常に戻ると見る。すでに沖縄などリゾート地の予約は動き始めているという。 「Go To キャンペーン」の開始が遅れているが、そのつなぎとしてJTBは独自キャンペーンを展開。自治体も限定的ながら独自のクーポンを発行し、旅行需要の喚起に力を入れている。そのうえで、「『Go Toキャンペーン』が始まれば、国内はかなり戻るだろう」と期待をかける。 一方、海外旅行については、厳しい見立てだ。今年秋以降に動き始め、まずはハワイやグアムなどから再開するが、欧米市場の回復は来年いっぱいかかると見通す。

変化する旅行形態に対応し、持続可能な観光産業へ

コロナ禍でニューノーマルの観光とともに旅行者数が回復していく一方で、旅行形態の変化も進むとする。たとえば、バスを利用したツアー。密を避けるため乗車人数を制限せざるを得ず、そうなると収益に課題が出てくる。こうした課題に、山北氏は、これまでの一度に集客して送客し、利益を出す構造から、分散集客して頻度を高めることで利益を出す構造に変えていくことが必要との考えを示す。そのなかで、カギとなるのが需要に合わせて価格を弾力的に設定するダイナミックプライシングだ。 このビジネスモデルの変化は、コロナ禍以前から課題となっていたオーバーツーリズムの緩和や地域とのつながりの強化にもつながる。当然ながら、密を避ければ、オーバーツーリズムは起こり得ない。また、頻度を高めることで、地域コミュニティーが旅行者を受け入れる機会も増えることになる。 「今後は、特定の場所への送客ではなく、DMCや自治体との連携を強化し、(旅行者の受け入れで)地域での広がりや奥行きをつくっていく必要がある」と山北氏。事実上の休業中でも、逆に地域とのコミュニケーションは深まっているという。 また、場所の分散化とともに、時間の分散化への取り組みにも関心を示す。旅行時期の平準化は、ライフスタイルと深く関わるため「簡単な話ではないが、休日のあり方などは検討していくべきだろう」との見解を示した。 ニューノーマルで変わる消費者ニーズ。リモートワーク、ワーケーションなど働き方の変化に合わせて、旅行・観光への期待も変わってきている。「ウィズコロナ、ポストコロナの旅行業界では、SDGsの考え方が加速していくだろう」。山北氏は、デジタルという土台を構築し、マーケットの変化に柔軟に対応しながら、「ツーリズムを持続的に発展させていきたい」と未来を見据えた。 聞き手:トラベルボイス編集部 山岡薫 記事:トラベルジャーナリスト 山田友樹

トラベルボイス編集部

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