ゲーマー&ストリーマーも確定申告が必要? イチからわかるeスポーツと税金講座
確定申告の季節がやってきました。めんどうくさそうだし、そんなのゲーマーには関係のない話だと思っていませんか? ところがゲーム配信などで利益が出たのに、確定申告を怠ると大きなペナルティーが発生することもあるのです。悪質だとみなされた場合は刑事罰を受けるケースもあり、決して軽視してはならない国民の義務なのです。 そこで、プロゲーマーやストリーマーの確定申告を数多く手掛ける「白根会計&コンサルティング事務所」に解説していただきました。
そもそも確定申告とは? 16日スタート
お話をうかがったのは同事務所の平賀泰三さんです。 確定申告とは、税金に関する申告手続きのこと。具体的には前年の1月1日から12月31日までの所得を計算して、2月16日から3月15日の間に管轄の税務署に書類を提出し、その申告に基づき算出された所得税を払う、もしくは、払いすぎていた分を返してもらう一連の手続きのことを意味します。「めんどうだから、いいや。どうせバレないし」と確定申告を怠った場合、様々なデメリットが生じます。(申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限4月15 日まで延長されました。詳しくは国税庁HPにあります) 「申告していない、もしくは税金を少なく申告している場合には、本来払うべきであった税金に加えて、延滞税、加算税、重加算税などの税金も払う必要があります。また、その脱税行為が極めて悪質な場合には、『10年以下の懲役または1000万円以下の罰金またはその両方』という刑事罰に処される可能性もあります」と平賀さん。 【延滞税や加算税について】 延滞税 年2.6%または年8.9% 加算税 不足税額の5%~20% 重加算税 不足税額の35%~40%
税金だけではないペナルティー
こうした追加で支払う税金だけでなく、もっと大きなペナルティーがあります。それが「イメージダウン」。芸能人や野球、サッカーなどのプロスポーツ選手が申告漏れをしていたことがニュースになることがありますよね。 「本人に悪意はなく、単なる書類上のミスだったとしても、『脱税』のイメージが付き、それがSNSなどで拡散されると大きなイメージダウンになってしまいます。eスポーツは、まだまだ世の中に浸透しているとは言い切れません。そんな状況下で、もしストリーマーが申告漏れをしているというニュースが広がれば、本人の致命的なイメージダウンはもちろん、業界全体に奇異の目が注がれる危険性があります」 さらにストリーマーが身を引き締めなければならないのは、ゲーム配信は極めて申告漏れを調査しやすい業界であるということです。YouTubeに限らず、アフィリエイトの収益は、基本的にASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)からの銀行振込です。これはごまかしが効きません。 「税務署内にはネットビジネス調査の専門部署があり、ASP側に送金記録などの情報を職権で収集することができます。ゲーム配信による収入は、ほぼ把握されていると思ってください。税務調査は、目立つ業界に目をつけてきます。芸能人に調査が入るのは、芸能人の脱税はニュースになりやすく、税金の正しい申告の大切さを広くアピールすることができるからです。個人的な臆測の粋を出ませんが、eスポーツ大会で高額の賞金を得る人や、配信で稼ぐストリーマーが増えてきた現在、一斉に税務署から調査に入る可能性は大いにあると思っています」