「荷台が伸びる!」 ダイハツ「ハイゼットエクステンド」コンセプトが凄かった! 1200mm「ボディ延長」で大注目の存在に! オートサロン披露後「実車化」果たした斬新モデルとは
大反響の末に「実車化」果たしたスゴい軽トラック
日本最大のカスタムカーの祭典「東京オートサロン」では、パーツメーカーや自動車メーカー本体が、意匠を凝らしたコンセプトモデルやカスタムカーなどを披露します。2025年も、1月10日から12日まで開催予定です。 そんな東京オートサロンですが、2023年回でダイハツは非常に斬新な機構を持つ「ハイゼットトラック」を発表し、大いに注目を浴びました。どのようなモデルだったのでしょうか。 【画像】超カッコイイ! これがダイハツの「斬新軽トラ」です!(50枚)
ダイハツは、2023年1月13日から3日間開催された「東京オートサロン2023」に5台のカスタマイズカーやコンセプトカーを展示しました。 そのなかの1台が、軽トラックのコンセプトカー「ハイゼットトラック ジャンボ エクステンド(以下ハイゼットエクステンド)」でした。 ダイハツが販売し、軽トラックの定番として長らく支持される「ハイゼット トラック」のキャビン延長タイプ「ジャンボ」仕様車をベースとしています。 ボディはグレーに塗装され、テールからフロントバンパーまで赤いストライプが貼られているほか、ブロンズのレイズ製「ボルクレーシング」ホイールを装備し全体的に往年のレーシングカーのようなイメージを演出。 ドアには、レースのゼッケン番号を思わせる大きな「62」のステッカーが。この数字は、ダイハツが62周年であることを意味しています。 そんなハイゼットエクステンドの最大の特徴は荷台です。 軽トラックの特徴である荷台部にはキャノピーが取り付けられており、トラックではなく軽バンに近いスタイリングをまとっています。 そして実はキャノピーは筒状になっており、筒を伸ばすことで、後部に向かって1200mmの延長が可能。 これにより、キャノピー内部の空間が拡張され、最大荷室長は2600mmを確保。内部はマット敷きとなっており、着替えや車中泊も可能そうな空間が広がっていました。 公開当初、SNSなどでも非常に大きな反響が寄せられ、市販化についても大いに期待が高まりました。 そして2023年11月、愛知県・岐阜県で開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)最終戦「ラリージャパン2023」会場の豊田スタジアム(愛知県豊田市)内で、「ハイゼット ジャンボ エクステンド」が公開されました。 これはまさしく東京オートサロン2023のハイゼットエクステンドを実車化したような構造で、コンセプトカーではなく、れっきとした公道走行車両として登場。 ラリージャパンに出場するダイハツ×D-SPORTによるラリーチーム「D-SPORT Racing Team」のサポートカーとして、出走する「コペンGRスポーツ」用のパーツ運搬車役を果たしています。 当時の取材で、開発経緯についてダイハツ デザイン部の芝垣 登志男氏に聞いたところ、最初はトランポ(運搬専用車)にするつもりが、ラリー現場で着替えなどのプライベート空間がないことがあり、こうした問題を解決するためだったといいます。 構造は東京オートサロンのコンセプトカーとは少し異なっており、屋根やサイドパネル、テールゲートなど外側のみが「筒」のように伸びて、内部が露出するような形に変更。 キャノピーを展開した内部はパネルバンのようになっており、サイドには縦に開くハッチが備わり、横から荷物を出し入れできるようになっています。 テールゲートにはカーテンが装備され、屋根が伸びた状態で3面全てを下ろすと幕を下ろしたタープテントのように、完全なプライベート空間を確保できます。 このほか、ボディはコペンGRスポーツラリーカーと同じレッドに塗装され、ルーフやフロントフェイスにはブラックとイエローのストライプをあしらわれたほか、足元にはコンセプトカーと同様に、ボルクレーシング「TE37」のブロンズのアルミホイールを装着。 ラリーカーと同じコーディネートで、スポーティさをアップしています。 2024年11月、2024年シーズンのFIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン2024」の開催時も、再び姿を現しており、コペンGRスポーツ(55号車・相原泰祐選手/萩野司選手)でJR3クラス3連覇達成をサポートしています。 ※ ※ ※ 大胆発想のコンセプトカーは、斬新な機構やクセの強いデザインから現実味がなく、実車化が叶わないものも多く存在しますが、このハイゼットエクステンドは、例外中の例外。 現在のところ、市販モデルの登場には至りませんが、反響次第でさらなる続報にも期待できそうです。 次回の東京オートサロン2025でも、果たしてどんなコンセプトカーが披露されるのか、大いに期待が高まります。
くるまのニュース編集部