【防災】「災害情報」テーマに識者招きシンポジウム…災害例から説くデマ拡散の実態など聴講者気付きも(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
80年前に東南海地震が発生した12月7日。Daiichi-TVでは防災に関連したシンポジウムを開きました。テーマは「災害情報」です。 1月に発生した能登半島地震。地震の揺れや津波で多くの被害が発生する中、SNS上では、救助要請などを求めるデマ情報が飛び交い、救助の現場に混乱を招きました。 この日のシンポジウムでは、ネットメディアに詳しい国際大学の山口真一准教授が講演し、災害時に偽情報、誤情報が広がる実態について、各地の災害などを例に説明しました。 (国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター 山口 真一 准教授) 「災害時の情報はすごく大事。それがインターネットによって、さらに迅速に多くとれるようになった。しかし、その中にフェイクが結構混じっている」 山口准教授によると、災害時のフェイク情報には、実際の被害と異なるフェイク情報、救助を求める、偽の情報、義援金などを装った情報など、パターンがあるということです。最近では、生成AIによるフェイク情報も広まりつつあり、その影響は災害時のみならず、様々なところに及ぶ恐れがあると山口さんは話します。そんな中で、私たちはどのように行動すればいいのでしょうか。 (国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター 山口 真一 准教授) 「まず大事なのが『自分もだまされること』を知っておいてください」「誤った情報、フェイク情報に出会ったあと、それが誤っていると気づける人はすごく少ない 、14.5%しかいない」 そのうえで、山口さんは、拡散したい時だけでもその情報を検証し、「情報源が分からなければ拡散しない」という意識を持つことが大事と話しました。このあと行われたパネルディスカッションには、「news zero」キャスターでもおなじみの藤井貴彦さんが登場。フェイク情報が広がる状況について、災害報道をする立場としてこう話します。 (「news zero」キャスター 藤井 貴彦さん) 「10%でもフェイクが混ざっていると、残り90%の本当に正しい情報が疑わしく見えてくる。その残り90%の正しさを証明するために、メディアは、また、そこに骨を砕かなければならない、心を砕かなければならないということで、仕事が大量に増えていくのですね」 藤井さんは、メディアの情報が、さまざまに切り取られて伝わることもあると話したうえで、もとの情報がしっかりしていることが大事と話しました。 (「news zero」キャスター 藤井 貴彦さん) 「大本の発信が、興味深くてしっかりしていて、背景が分かりやすいものであれば、何回切り取られても正確に伝わっていくと思うのです」「私たちは、勇気をもって、これからも、さらにもっと信ぴょう性の高いものを、さらに皆さんに理解していただけるものを、お送りしていかなければならない時代になったのではないかなと感じています」 また、かつて、県の危機管理監も務めた岩田孝仁さんは、行政機関も普段からさまざまな情報を共有することで、有事に正確な情報にたどり着いてもらえるのではと話しました。 (静岡大学防災総合センター 岩田 孝仁 特任教授) 「今は、本当にいろいろなメディアが使えるようになってきたということで、例えば、いろいろなSNSの手法を活用させてもらえば、リアルタイムで、いろいろなことが伝えられる」「県民の方々も、普段からそうした情報に接してもらうことによって、お互いの信頼関係を作っていく、培っていくというのが、緊急時にそのまま役に立っていくのではないかなと考えているところです」 山口さんは、こうした話を踏まえつつ、事前に自治体やメディアなどの情報元がはっきりしたアカウントをフォローしておけば、有事の際にもSNSを有効に利用できるのではと話しました。 (来場者) 「学生時代の情報の収集源っていうと、Xだったりインスタグラムが中心になってくると思うんですけど」「自分が多分、今まで正しいと判断してしまった情報の中にも、嘘の情報が紛れていたりだとかってことに、きょう改めて気づかされたって感じですね」 (来場者) 「こどもが小さいので」「これから先、多分、情報に惑わされていく時代になるなと思って、勉強しにきました」「ちょっと怖いなと思う事もあったんですけど、そういう誤情報があるということも理解しつつ」「大事に付き合っていけるようになりたいなと思いました」