政策型提案条例ゼロ 都議は使いこなしたの?「議会図書館」に行ってみた
議会図書室は地域の重要な争点集約 今後は住民に開かれたものに
議会改革にくわしい山梨学院大学法学部・江藤俊昭教授の話 ── 議会図書室は地方議会法に定められた必置の制度。それほど重要な位置づけにもかかわらず、官報などの書籍が置いたままだったり、「物置」的な状態となって、活用できていないケースも多い。小さな町村議会では、独立した議会図書室がなく、議会の応接室内に本箱があるような状態だ。 たとえば、呉市の議会図書室は、司書を嘱託で採用しているが、司書のいる公立図書館と連携、活用についても今後、模索する必要がある。もう一つ、県政資料室や市政資料室には同じものが入っているのだから、合体して、市民が閲覧しやすい一階に置くというように、自治体の重要書類を1カ所に集め、効率化を図ることが大切なことだ。 議会図書室は、議員の監視能力と政策提言能力を高める上で大事なものだが、議事録や視察報告書、陳情・誓願書は、地域の現在および今後の重要な争点が集約されているので、議員だけではなく、地域住民に開かれた図書室を作っていかねばならないことを強調したい。開かれた議会における議会図書室はこういう位置付けだ。 (取材・文:具志堅浩二)