富山グラウジーズのファウルトラブルから勝機を見いだしたアルバルク東京が接戦を制し、1勝1敗の痛み分けに
第3クォーターは両チームともに日本人選手がオフェンスを牽引
文・写真=鈴木栄一 1月31日、アルバルク東京がホームで富山グラウジーズと対戦。終盤までもつれる接戦となったが、ファウルトラブルが明暗を分けA東京が90-86で制し、前日に敗れたリベンジを果たした。 第1クォーター、富山が宇都直輝のドライブ、ジョシュア・スミスのインサイドアタックで先行するが、A東京もアレックス・カークがオープンの外角シュートを確実に決め互角の出だしとなる。第2クォーターにA東京はザック・バランスキーの連続3ポイントシュートに加え、富山がテクニカルベンチファウル、テクニカルコーチファウルを続けて喫したことにも助けられリードを8点にまで広げる。だが、宇都のスピードに乗ったドライブ、スミスのゴール下からの得点を許してしまい、A東京は2点差まで詰められて試合を折り返す。 第3クォーターに入ると前半とは変わり、両チームとも日本人選手がオフェンスを牽引する。A東京は小島元基、安藤誓哉がそれぞれ6得点を挙げ、日本人で20得点をマークすると富山は前田悟、岡田侑大が躍動する。前田はこのクォーターだけで3ポイントシュート2本を含む11得点を挙げ、ジュリアン・マブンガの欠場でフル稼働しているスミス、リチャード・ソロモンの負担を減らす。さらに岡田も持ち味であるアグレッシブな攻めで続くと終了直前に3ポイントシュート成功を成功させ、64-61と富山が逆転する。 第4クォーターも緊迫の展開は続くが、その中でも富山はジョシュア・スミスがゴール下を支配。4つのオフェンスリバウンドが示すようにセカンドチャンスから得点を重ねる。一方、A東京も田中大貴が得点、アシストと攻撃の起点になり、カーク、デション・トーマスのインサイドで得点を挙げていく。しかし、カークの5本中1本成功のみなど、このクォーターでのフリースローが12本中6本成功のみと詰めが甘く、わずかだが富山にリードを許したまま時計は進んでいく。 だが、ここでソロモンのファウルトラブルが勝敗の大きな別れ目となる。第3クォーター終了時点ではファウル1つだったが、第4クォーターに入るとカークとの肉弾戦の中でファウルが増えてしまう。そしてA東京はこの綻びを逃さない。残り2分40秒、カークのバスケット・カウントでソロモンのファウルが4つ目になると、1分38秒にはトーマスがソロモンからバスケット・カウントを奪ってファウルアウトに。さらにトーマスはこの結果、マッチアップの相手が橋本晃佑となったアドバンテージを生かし残り約1分から連続得点を挙げ、A東京が粘る富山を振り切った。