日経平均は一時300円超下落、半導体関連や輸出軟調-電線株は堅調
(ブルームバーグ): 21日の東京株式相場は続落し、日経平均株価は一時300円以上下げた。人工知能(AI)向け半導体の米エヌビディアの売上高予想が市場予想の上限に届かず、株価が時間外取引で下落したほか、為替の円高推移が嫌気された。
アドバンテストやディスコなど半導体製造装置株の一角が下げ、三菱重工業など機械株、ソニーグループなど電機株といった輸出セクターが軟調だ。ニューヨーク原油先物の下落を材料に鉱業株も安い。半面、フジクラなど電線を中心に非鉄金属株は高く、金利上昇を背景に銀行や証券など金融株も堅調。
TOPIXを構成する2128銘柄中、上昇は1112、下落は875と値上がり銘柄数の方がやや優勢。
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは、エヌビディア株の下落を受け半導体関連銘柄に機械的な売りが出やすいと指摘。ただ、エヌビディア株に関してはイベント通過を背景とした短期的な需給が株価下落につながったため、日本株も徐々に下げ幅を縮めるとみていた。
一方、 政府は物価高への対応などを柱とした総合経済対策の財政支出の規模を21兆9000億円程度とする方向で調整に入ったとNHKが21日報じた。また、宮沢洋一自民税制調査会長は同日、103万円の壁に関する記者団の質問に対し「財源について考えていかねばならないとの意見があった」と明らかにし、現実的に議論していきたいと語った。
ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は経済対策規模を巡る報道について、想定の範囲内で、大幅に国債の需給が悪化するような事態は回避されそうとの見方を示している。
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--取材協力:酒井大輔.
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Yasutaka Tamura