「自信を持って最初のレースに挑みたい」中根英登インタビュー
「チームのカテゴリーは上がってもやることは一緒。自分のコンディションを作って、できるだけ多くのチームの勝利に貢献するということは、どのカテゴリーのチームにいても変わらないですね」。ロードレースの最高峰カテゴリー、UCIワールドチームの一年生として21年シーズン開幕を迎える中根英登は、渡欧を直後に控えたインタビューの中で、普段と変わらない口調でそう話した。 中根英登 選手インタビュー | 辻啓のワールドチームに所属する日本人選手に話聞いちゃいました。
愛知県生まれの30歳、中根はこれまでのキャリアの中で着実なステップアップを見せてきた。中京大学在学中にチームNIPPO入りしてヨーロッパレースを経験し、愛三工業レーシングでの3年間を経て17年にイタリアのNIPPO・ヴィーニファンティーニ入り。以降3年間イタリアに拠点を置いて活動してきた。19年には国内最高峰レースのジャパンカップでアジア人選手最高の6位に入っている。
フランスのNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスに移籍した20年シーズンはアップダウンの連続だった。マレーシアで開催されたシーズン初戦のツール・ド・ランカウイで早速ステージ優勝を飾ってみせたが、その後は例に漏れず新型コロナウイルスの感染拡大に振り回され、さらにチーム内部の決裂という憂き目に合う。10月12日にスペインで開催されたレースの結果を受けて東京五輪ロードレースの出場を僅差で逃したが、そのわずか数日後に、UCIワールドチーム移籍というニュースで日本ロードレース界を騒がせた。
「プロスポーツ選手である以上は、一番上のカテゴリーに所属したいという気持ちはありました。他のチームともコンタクトをしていたんですが、話がまとまらず、半ば諦めていたタイミングでこの移籍の話をもらったので、正直びっくりした」。中根はスポンサーの株式会社NIPPOとチームメイトの別府史之、マッサージャーの坂本拓也、メカニックの南野求ともに、EFエデュケーション・NIPPOの一員となった。
レース活動開始は2月中旬からの予定だが、新チームとの連携は移籍後すぐにスタート。新しいバイク、新しいウェア、新しいトレーニングコーチとともにシーズンインに向けて準備を進めてきた。
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