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コロナが怖くて仕事を辞めたい…FPを困らせたアラ還夫婦の無謀な人生設計

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ダイヤモンド・オンライン

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、特に4~5月には多くの人が外出を自粛しました。しかし最近は、家の中にこもりがちだった暮らし方にも徐々に変化が見られているように感じます。新しい生活様式を取り入れながらも、「どのように収入を維持して、支出を減らしていけばいいのか」「どのように貯蓄を増やしていけばいいのか」といったことに関心を持つ人が増えてきました。  その一方で、コロナ感染への不安を背景に、家計の状況が悪化しているにもかかわらず、改善へと行動できない人たちもいます。その人のコロナへの向き合い方によるものなので、外部の者がとやかく言えることではないという考えも分かります。しかし、もう少し自主的に動けるように工夫ができないものかと、悩むことも多くなりました。 ● コロナ感染が怖くて働けない! 老後資金を切り崩す夫婦  再雇用で働くKさん(60)は、約1600万円の退職金を受け取ったばかり。今まで貯金が十分にできておらず、頼りになる老後資金はこの退職金だけです。しかし、定年後は現役時より給料が下がったため、やむを得ずさっそくその退職金を少しずつ切り崩して暮らしています。妻(58)も働いていますし、劇団で役者をしながら同居する息子(31)もアルバイトをして収入を得ていますが、それでも足りない状況です。  唯一の救いは、再雇用期間が終わる65歳に住宅ローンの支払いが終わること。しかし、年金生活に入れば今以上に収入が減ります。そのため、コロナ前にご相談に来られた際には、老後に備えて支出を見直し、収入内で暮らせるようにしなければならないとお伝えしていました。

 そのような中、コロナの影響で自粛生活が始まりました。「重症者には高齢者が多い」「いろいろなところでクラスターが発生している」といった情報に触れるうち、Kさんご夫婦はコロナへの感染をひどく不安に思うようになりました。  幸いにもKさんが働く会社はテレワークとなり自宅で仕事ができましたが、妻は技術職なので基本的に出勤しなくてはいけません。しかし、コロナ感染が不安なので、極力仕事は休むようにしたそうです。休んだ分、給料は減ります。しかし、支出を抑えることはできず、むしろ時間がある分、インターネットでの買い物などで今まで以上に支出が増加してしまいました。  その後、特別定額給付金が入金されると、さらに支出が増え、赤字幅が拡大しました。いつもよりお金がある気持ちになったのでしょう。その結果、3月からの6カ月間で老後資金の1600万円は100万円ほど減ってしまいました。本当なら早急に赤字を改善し、年金生活になっても老後資金の切り崩し額を少なくできるような暮らし方を目指すはずだったのに、全く逆のことをしてしまっているのです。 ● 感染対策と同様に いかに暮らしを維持するかも大切  稼げるうちに収入を増やしておきたいところですが、妻は「働きに行くのが怖い」、夫は「そろそろ仕事を辞めたい」と話します。コロナが怖くて外に出たくないというのです。息子もこうした両親の姿を見てきているからか、できればアルバイトにも行きたくないのだそう。  正直、Kさんのご家庭は、このままでは破綻まっしぐらです。収入を得ることを放棄してしまっては、どうにもできません。ただ、それでもご夫婦は「どうするとよいのか」とわれわれに聞いてきます。収入を得る方法を探すのが最善なのですが、それでも「働けない」の一点張り……。堂々めぐりの状況が続いています。  たしかに感染を予防することは大切です。一方で、コロナのリスクが長期化した今、それと同じように、「いかに暮らしを維持するか」ということも大切にしなくてはいけません。  待っていれば、誰かが生活費をくれる世の中ではありません。自分でどうにかしていこうとしなければ、乗り越えられないのです。感染が怖いと思うのはみな同じ。一人一人が対策をして、生活や働き方に工夫をしながら頑張っているのです。  Kさんご夫婦を例に取りましたが、コロナが怖くて働けないという人は、意外といらっしゃるようです。それでも、今の暮らしと将来のため、働き方を変えたり、節約をしたりして、収入をできる限り維持しながら支出を減らす工夫をしています。家計の現状が不安なのであれば、少しでもその不安を軽くできるように自分で工夫して支出を抑えるか、収入を得られるように動くしかありません。  無理に外に出ろとは言いませんが、感染防止対策を取りながら、ある程度上手にリスクと付き合っていかなければいけない時期に来ていると感じます。  (家計再生コンサルタント 横山光昭)

横山光昭

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