Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

不動産購入を希望するお客様への「物件案内」時の注意点

配信

ダイヤモンド不動産研究所

不動産の購入希望者に物件を案内する際に、不動産仲介会社の営業担当が気をつけるべきことは? コロナ禍の不動産業界の取り組みにも少し触れつつ、詳しく解説したいと思います。(不動産会社向けの集客&教育コンサルタント・梶本幸治) ■不動産新人営業マン向け講座■ 【買付編】 (1) 不動産買付営業の基本的な考え方 (2) 反響が獲れる「不動産チラシ」の作り方 (3) 反響が獲れる「不動産WEBサイト」の考え方 (4) お客様を案内する際の注意点 (5) 「不動産購入申込書」受領時の注意点 「どんな物件をお探しですか?」を聞くだけの営業担当者は淘汰される!? ~今後公開予定~ 【仕入れ編】 (6) 不動産仕入れ営業の基本的な考え方 (7) 「売り求むチラシ」で仕入れを行う方法 (8) DMで不動産所有者から連絡をもらう方法 (9) 「不動産一括査定サイト」利用時の注意点 (10) 不動産査定訪問時の注意点 (11) 不動産売却希望者の長期追客法

「物件案内」をする際に気をつけること

 以前の記事の中で、「不動産買付営業の基本的な考え方」として次のようにご提案しました。 ・不動産買付営業では「購入理由」のヒアリングに全力を尽くす   ・「購入物件像」に関してはお客様から聞くのではなく、ヒアリングした「購入理由」に基づき、営業担当者から提示する  この考え方について、具体的に解説しましょう。  購入希望の顧客が、たとえば「名古屋市営地下鉄の池下駅周辺で、中古の分譲マンションを探している」とおっしゃっているとします。しかし「購入理由」のヒアリングにより、あなたが「いや、このお客様の購入理由であれば、星ヶ丘駅近くの中古戸建の方が良いはずだ!」と判断するのであれば、不動産のプロとして「池下駅のマンション」に加え、「星ヶ丘駅の戸建て」もご提案いただきたい、ということですね。  なぜ、購入理由をヒアリングした上で、顧客の希望条件以外の物件も提案した方がいいのでしょうか? ここで1つ余談ですが、不動産の営業担当者なら、次のような経験をしたことがあると思います。  不動産購入を希望する顧客からご希望条件(物件種別・予算・広さ・最寄駅からの距離など)を聞き、条件通りの物件を何件か案内するも商談まで進展せず、その日は「また、いい物件が出ましたらご連絡します」と伝えて解散。    その後、希望条件に合う物件が売りに出されたため、大急ぎでお客様に電話したところ、「ごめんなさい。他の物件を買ってしまいました」との返事。    どんな物件を購入したのか聞いてみたところ、予算も広さも最寄り駅も、聞いていた条件とは全く異なる物件でビックリ。    お客様との電話を切った後で、「くそ~。お客様にウソをつかれた! 聞いていた条件と全然違うじゃないか!」と不満を漏らしたところで後の祭り……。  しかし、これはお客様がウソをついていたわけではありません。  不動産営業担当者のヒアリングが不足していたのです。いや、正確には「ヒアリング不足」というより「ヒアリング対象の間違い」と言った方がいいかも知れません。  購入希望の顧客への最初のアプローチは、「どんな物件をお探しですか?」と聞くか、「なぜ、不動産を購入しようと思われたのですか?」と聞くかで、その後の営業方針は全く異なってきます。私のコンサル先の不動産営業担当の方には、後者の質問を聞くように伝えています。  ここでお客様から「結婚するんです」との返事があっても、「結婚されるんですか。おめでとうございます。それで、どんな物件をお探しですか」と話を進めてはいけません。  結婚するから家を買う……それって普通でしょうか? 「結婚するから家を買う人」と「結婚するから賃貸を探す人」なら、いきなり家を買う人よりも、賃貸を探す人の方が人数は多いでしょう。  ここはもう一歩踏み込んで、「結婚されるにあたって賃貸を探される方も多いですが、なぜ、このタイミングでマイホームを購入しようと思われたのですか?」とヒアリングしたいところです。  このように「なぜですか?」「なぜですか?」「なぜですか?」と聞き進めていくと、顧客の「真の購入理由」に行き当たる可能性が高まります。  そして、この「真の購入理由」を踏まえた上で、前述のように「いや、このお客様の購入理由であれば池下駅周辺の譲マンションよりも、星ヶ丘駅近くの中古戸建の方が良いはずだ!」とあなたが判断すれば、不動産のプロとして堂々とご提案してほしいのです。 「くそ~。お客様にウソをつかれた! 聞いていた条件と全然違うじゃないか!」と愚痴ることの多い営業担当者は、この「真の購入理由」が把握できていないと私は考えています。  お客様は「不動産の素人」です。どんな物件がどんな価格でどんな条件で売りに出ているのか、深くはご存知ではありません。  つまり、「どんな物件をお探しですか?」と質問されても、インターネットで検索した程度の知識しかお持ちではないのです。  今後、AIなどが不動産業界にも導入されてくると、「どんな物件をお探しですか?」と質問して聞いた希望条件に対する提案しかできない営業担当は、残念ながら淘汰されてしまうかもしれません。  お客様を案内する際には事前のヒアリングに力を入れ、「プロにしかできない提案力」でお客様にご満足いただける物件を紹介してください。

【関連記事】