BTSが踊りながら歌えるコツは「胸骨」にあり? ボイストレーナーのYouTubeに注目
近年、YouTuberがテレビに出演することは珍しくなくなった。ボイストレーナーであり、音楽系YouTuberの「しらスタ」もその一人であろう。テレビでは嵐・二宮和也、Hey!Say!JUMP!・伊野尾慧を指導し、年末にはももいろクローバーZの年越しライブイベント『第5回 ももいろ歌合戦』にも出演。従来、ボイストレーナーは歌手だけが教わることができる雲の上のような存在だった。それが一気に身近な存在となったのは、しらスタの功績が大きいだろう。しかし、いまチェックしておきたいボイストレーナーはしらスタだけではない。本稿では2組のボイストレーナーのYouTubeチャンネルを紹介したい。 【動画】BTSの歌唱力について徹底解説するボイストレーナー まず紹介したいのは、『シアーミュージック』。YOASOBI「群青」、Eve「廻廻奇譚」、藤井風「きらり」など、カラオケで歌われる機会が多い曲が取り上げられている。動画は、ボイストレーナーが実際に歌い、動画の右上に歌い方解説がついているスタイル。たとえば、YOASOBI「群青」では、サビの〈Ah 感じたままに描く自分で選んだその色で〉という部分。Ahはエッジボイスで入り、ファルセットで歌う、〈ままに〉は〈まっまーに〉と発音、〈だその色で〉はウィスパーボイスで歌うなど細かく解説。 自己流で歌い方をマスターするのは難しい。カラオケに行く前に視聴し、動画をみながら歌うことでカラオケの点数もアップするだろう。また、「卒業ソング」「ボカロ」「00年代」など様々なメドレーもアップ。動画右上には難易度とボイストレーナーのコメントが記載されているので、カラオケで歌う曲の参考にもなりそうだ。 K-POP好きな人におすすめしたいのは、『さきここVoice』。動画はK-POPアイドルの歌声分析が大半を占める。K-POPアイドルの歌に感動してもなぜ歌が上手いのか、どんなポイントが隠されているのか、専門家でないと全ては語れないだろう。 『さきここVoice』では、TWICE「Feel Special」、BLACKPINK「Lovesick Girls」、SEVENTEEN「Don’t Wanna Cry」など多くの楽曲の歌い方を解説。「息もれ、今日いっぱい出てくるから要チェックだよ」「ここはしゃくる」と一音ずつ特徴を言及しながら進めていく。わかりにくい音の取り方も教えてくれるので、自分でも真似しやすい。一人で歌っているだけでは、気にすることができないポイントが満載だ。 また、昨年大ヒットしたBTSの「Butter」ではステージ映像も解説。「歌って踊るには胸骨の位置をあまりずらさないようにするのが大事なんですね」といきなり専門的な解説で始まり、サビでは「歌うためにあえてここ(胸骨)を動かさないようにしているんだと思う」と歌に影響される体の動きにも言及。「歌のためにどのように体を使っているか」という観点でアーティストの動きを見るのが楽しいのだと気が付く。 さらに、オーディション番組にも精通。『Girls Planet 999』、『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』では参加メンバーの魅力を声から分析。なんとなく上手いなと感じるだけでなく、具体的に上手い理由が分かる。新たなオーディション番組が始まった際には彼女のYouTubeは要チェックだ。 ボイストレーナーはプロがさらに歌が上手くなるためだけにあるのではなく、どんどん間口が広くなっている。カラオケでより楽しむために、YouTubeでボイストレーナーを活用できるだろう。一方、レッスンだけでなく、ボイストレーナーの分析を気軽に楽しめるのはYouTubeならでは。「歌が上手い理由」の全てがわかるボイストレーナーのYouTubeに今後も注目したい。
佐藤さくら