日本統治時代の木造宿舎群、文学者の交流拠点「台湾文学基地」に転身
(台北中央社)日本統治時代から残る台北市の木造宿舎群が、文学者のための交流プラットフォーム「台湾文学基地」に生まれ変わり、18日にオープンした。記者会見に出席した李永得(りえいとく)文化部長(文化相)は、文化部(文化省)が進めてきた修復・再活用プロジェクトの一つの里程標だと喜び、小説家やエッセイスト、詩人などの文学者らの交流拠点となることに期待を示した。 同施設を構成するのは、台湾総督府職員などの宿舎として1920~40年代に建設された7棟の日本家屋。同市内に残る当時の宿舎群としては最も完全な姿をとどめている。このうち最も早く修復された1棟は、詩の文化拠点「斉東詩舎」として2014年にオープンしたが、隣接する残り6棟の修復も進められ、今回、その規模と役割が拡大された「台湾文学基地」として再出発する運びとなった。各棟は展示会場や読書スペース、作家が入居する創作空間などとして運用され、和菓子を提供するカフェも併設された。 運営を請け負う国立台湾文学館(台南市)の蘇碩斌館長は、これらの建物は日本統治時代や戦後など、異なる時代における台湾人の記憶を受け継いでいると紹介。今後、より多くの文学、文化がこの場所で花開き実を結ぶことを願った。 (編集:塚越西穂)