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井川遥の運転手、借金生活…個性派俳優・松尾諭さん「破天荒な人生エピソード」

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webマガジン mi-mollet

『SP警視庁警備部警護課第四係』シリーズ、『進撃の巨人』、『シン・ゴジラ』など、数えきれないほど多数の作品で個性派俳優としての存在感を放ち続けている松尾諭さん。 実は素晴らしい文才の持ち主でもあり、文春オンラインで連載されていたエッセイ『拾われた男』は大好評。1冊の本となって発売されました。インタビューでは、テレビで見るイメージとは違う、繊細でおしゃれな文化系男子の素顔が見えてきました。 【写真】個性派俳優・松尾愉の照れ笑いに癒される  松尾諭 1975年12月7日生まれ。兵庫県出身。関西学院大学を中退して役者の道に。2007年に『SP警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ)のメインキャラクターに大抜擢され、一躍注目の存在に。朝ドラ『わろてんか』(NHK)、映画『進撃の巨人』『シン・ゴジラ』など多数の作品に出演している。現在、出演映画『HERO2020』が公開中。また舞台『願いがかなうぐつぐつカクテル』が7月9日より公演開始予定。  

連載スタートのきっかけは謎のまま

ある日偶然拾った航空券。その落とし主がたまたまモデル事務所の社長で、それが縁で事務所に所属することになり……。そんなドラマのような話を筆頭に、借金まみれだった売れない役者時代、13回告白して全てフラれた日々、生き別れになっていた兄を突然アメリカに迎えに行くことになった話など、多くの人が一生のうちに1つも経験しないような破天荒なエピソードが、あっさりとズラズラ書かれている俳優の松尾諭さんのエッセイ。 これがまた、文章がとってもリズミカルで勢いがあるので、読んでいて圧倒される楽しさなのです。 しかし松尾さんはそれまで文章を書いたことは一切なく、書きたいと言ったこともなかったそう。一体どういうきっかけで、担当編集者は松尾さんの隠れた文才に気づいたのでしょう? 「そんなふうに褒められると照れて話せなくなってしまう性格なんですが……。でもきっかけはよくある話で、飲み会で編集者のAさんと知り合って、酔った勢いで『書きませんか?』とお話をいただいたことだったと思います。 最初は、いやいやこんなド素人が……と思ったんですが、ちょうど40代に入ったところで、新しいことに挑戦してみるのもいいかな、とお受けしたんです。でも衝撃的なことに、連載が終了して1冊の本にまとまった後、Aさんから『きっかけは松尾さんが書きたいと言ったからですよね』と言われたんです。だけど僕は絶対に言っていない! 実を言うと連載を続けるのはすごく大変だったんですけど、『敏腕編集者のAさんに見出してもらえた』という自負がモチベーションになっていたんです。だから連載が終わるまで、『Aさんは声をかけたつもりはなかった』という事実を知らなくて良かった。途中で知っていたら絶対挫けていたと思います」 謙遜を兼ねて、そんなふうに面白おかしく連載スタートのきっかけを話してくれた松尾さん。しかし書かれているエピソードは、どれも強烈なインパクトで読んでいて本当に引き込まれます。とくに、無名時代にあの井川遥さんの運転手兼付き人をしていたこと、それで奥さんに「(井川さんとの仲が)心配にならない?」と聞いたところ「あんな綺麗な人と何かあったら尊敬する」と返された、というエピソードには大笑いします。  「言い訳ではありませんが、このエッセイは一応、“9割実話に基づいたフィクション”という体を取っているんです。だから『僕』という呼称を使っていないし、井川さんのことも『ハルコさん』という物語の登場人物ふうに描いています。 僕自身はどれも特別な経験だとは思っていなくて、誰しも長く生きていたら起こるようなことを、ちょっと面白可笑しく描いただけのつもりなんですね。ただ、人との出会いに関してだけは必然があったと思っていて。 事務所の社長や妻との出会いはもちろん、井川さんとの出会いだって、僕のようなキャラだったから井川さんと一緒にいても疑われない、ということで運転手に選ばれたと思うんですよ。つまり必然……、僕の力だったということです!」 そうして出会った人たちとの間に起こった、温かくもなかなかハードな出来事の数々。これだけつまびらかに書いていることに対しては、どのような反応があったのでしょうか?とくに奥さんに関しては、奥さんの元カレと対峙したなんて穏やかでないエピソードも出てきますが……。 「実は妻は、僕の連載の一番のファンなんです。毎回ゲラゲラ大笑いしたり、ティッシュ箱を抱えて号泣したりしながら読んでくれています。最終話なんて、何回も読んでいるのに先日もまた読んで泣いていました。書き続けるのは本当に大変だったんですけど、妻のその姿を見られただけでも書いて良かったなと思えました。 (井川遥さんこと)ハルコさんにも、本になったときに『どうでしょうか?』と読んでもらったんですけど、感動的なお言葉をいただきまして。僕が運転手をしていた頃のハルコさんは、いきなりバーンと売れて大忙しになって。一杯一杯だったのであまり当時の記憶がないらしいんです。でも僕のエッセイを読んで、忘れていた楽しい出来事をたくさん思い出させてもらえた、と感謝してくれて。 ……すいません、僕の伝え方が下手なんですけど、それはそれは本当に感謝してくれたんですよ。僕自身も、あんなに本の好きな方に褒めてもらえて、めちゃくちゃ嬉しかったですね」  

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