寒い季節に起こる手のかゆみ 「しもやけ」ではない可能性も 医師が解説
寒い季節に起こりやすい手荒れ。手や指の皮膚がガサガサしたり、ひどくなると赤くなってかゆみや痛みを感じたりすることもあるでしょう。冬の代表的な肌トラブル「しもやけ」になったと思うかもしれませんが、もしかしたら「手湿疹」の可能性も。症状の見た目は似ているものの、原因や対処法が異なるため、注意が必要だそうです。皮膚科専門医の神島輪先生に詳しいお話を伺いました。 【画像】しもやけになるのはなぜ? メカニズムを画像で見る ◇ ◇ ◇
しもやけと手湿疹 症状は似ていても原因が異なる
しもやけと手湿疹は、手の赤みやかゆみなどの症状は似ていますが、それぞれ発症の原因が異なります。 【しもやけ】 ○原因 急激な気温差や、寒冷刺激の繰り返しによって血液の循環が悪くなり発症します。真冬より初冬や晩秋に起こりやすいです。また、血流が悪い人や子どもは、しもやけになりやすい傾向にあります。 ○主な症状 手でいえば、とくに指先に起こります。赤色や紫色に腫れ、痛みやかゆみを伴うことが多いです。悪化すると水疱や潰瘍になることも。手に限らず、足指、鼻、耳、頬などにも起こります。 【手湿疹】 ○原因 外的な刺激やアレルゲンに、頻回に接触することで起こります。多くが刺激性接触で、アレルギーに関係なく、洗剤や化粧品などで皮膚の脂分が抜けて皮膚バリアが破壊されてしまい、外部刺激に対して敏感になることが原因と考えられます。誰でも発症しますが、とくに薬液や消毒液をよく使う職業、手を洗う頻度の高い職業、アトピー性皮膚炎の人などに起こりやすいでしょう。 ○主な症状 手や指にかゆみ、赤くなる紅斑(こうはん)があったり、小さなブツブツの丘疹(きゅうしん)や水疱ができたりします。ひどくなってくると、苔癬化(たいせんか)といって皮膚が硬く、厚くなる状態になり、炎症が長期化してしまうので早めの対策が必要です。 以上のことから、しもやけは赤色や紫色の発疹や腫れがあり、温めるとかゆくなるといった特徴があります。発症前に寒い環境にいたかどうかも判断材料になるでしょう。一方で、手湿疹は気温差などに関係なく発症するものです。