愛知・名古屋市美術館「だまし絵II」開幕 ── 22万人動員の超人気展が再び
愛知県名古屋市中区の「名古屋市美術館」で、展覧会「だまし絵II」10日から始まる。同展は2009年に開催した「視覚の魔術─だまし絵」の続編で、その際は約22万人が訪れるなど近年の展覧会としてはかなりの動員を記録。関係者は「作品を目の前にしてもらうと、その衝撃はとても凄いはず」などと話している。
前回は2か月間で「22万人」動員
2009年に名古屋市美術館で開催された、「視覚の魔術─だまし絵」は約2か月間の会期中に約22万人訪れるなど盛況を博した。 同美術館の石田さんに尋ねると「当時は家族連れや若い層など、普段は美術館にあまり来られない方も多くいらっしゃいました」と説明。なお、同館の入場者数ベスト2は、1988年のルノアール展で約34万人、1994年のモネ展で約32万人となっている。 「近年の展覧会で20万人を超したのは、2011年のゴッホ展以来のこと。そこから考えても、前回の『だまし絵』展はかなりのお客様がいらっしゃいました」と石田さん。前回よりも“紹介する作品の幅を広げた”と説明する「だまし絵II」では、老若男女が楽しめる内容だと期待を込めてオススメする。 前回は「古今東西のだまし絵の歴史」を紹介したのに対し、今回は「だまし絵の進化系」がテーマ。だまし絵で一般的な絵画の領域に留まることなく、彫刻や写真、映像にも範囲を広げてセレクトされている。実際に作品のセレクトも担当したという学芸員の保崎さんは「今回は“面白ければ良い”という視点では作品を選んでいません。 美術ファンも納得するような有名作家の作品を採用することで、現代美術の先端を紹介しています」と太鼓判を押す。ダリやマグリット、エッシャーなど、誰もが美術の教科書などで一度は見たこのある作品とも出合えそうだ。
「作品をみていると、フィクションがリアルになる」
9日には報道陣向けの内覧会が行われ、館内では「だまし絵II」の開会式が行われた。同美術館の館長である横井政和氏が登壇し「だまし絵の歴史を振り返るだけではなく、未来を見据えた作家たちの作品を楽しんで欲しい」と挨拶した。 保崎さんにだまし絵の魅力を尋ねると「作品をみていると、フィクションがリアルになる、嘘が本当のように思えてくるところ。実際に作品を目の前にしてもらうと、その衝撃はとても凄いはず」と説明する。 ちなみに保崎さん独自にオススメしたい作品は「エヴァン・ペニー作/引き伸ばされた女 ♯2」だそうで、「作品の持つ空間の歪みを感じて下さい」とのこと。 展覧会「だまし絵II」は3月22日まで開催。なお同展はすでに、東京、兵庫と巡回しており、名古屋が最後の開催地となる。 (編集プロダクション エディマート)