ドラマ『わたしの宝物』がもたらした衝撃とは? 松本若菜、田中圭、深澤辰哉がみせた演技の魅力を深掘り解説
松本・田中・深澤の絶妙なバランス
さて、最終的に「許す」という選択をした美羽と宏樹。結末には様々な意見が飛び交っていたが、どの選択をしようともテーマがテーマだけにそれは想定の範囲なのだろう。第6話で、海から電話をかけてきた宏樹に、浅岡は「どこへ行っても答えなんてねぇんだぞ」と諭していたが、当事者がなんらかの答えを出しながら歩んでいかなければならないのだ。 重たいテーマを慎重に描いた本作。それを軽く見せずに、毎話誰かしらに様々な感情を持ちながら入り込めたのは、松本、田中、深澤の絶妙なバランスがあってこそ。3部作と言われているが、“無きにしも非ず”というちょっとリアルで、ヒリヒリとした感触の作品を求めてしまう。 【著者プロフィール:柚月裕実】 エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。
柚月裕実