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「コロナを止める最後のチャンス」東京都医師会長の悲痛な叫び

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PHP Online 衆知

5月25日、緊急事態宣言が解除されてから東京都の新規感染者は増え続け、7月10日に400人を超えた。その後も感染者数は大きく減少することはなく、深刻な感染拡大が続いている。 まさに国の有事ともいえる状況下で安倍晋三首相は6月18日の記者会見以来、1ヶ月以上の間、沈黙を続け、緊急事態宣言解除後の政府の新型コロナ対策には、ある種「緩み」を感じる。 そんな国民の不安を拭うべく政府へ建議を行った人物がいる。東京都医師会長・尾崎治夫氏である。7月30日の記者会見で尾崎氏が強い口調で訴えた。 「今すぐに国会を召集し、法改正をお願いしたい。いまが感染拡大を抑える最後のチャンスだ」 各メディアが『尾崎氏が吠えた!』と報じた危機感が伝わる会見であった。尾崎氏の言葉を受け国が動くことを願うばかりであるが、ようやく開かれた8月6日の安倍首相の会見を見ても国の頼りなさが露呈するばかりである。 人の往来が増えるお盆休みを迎え、今後、感染拡大の状況はどう変化し、我々はどうすべきなのかを尾崎氏に聞いた(聞き手:吉澤恵理・医療ジャーナリスト)。

「一刻も早い法改正を」決死の訴えにも政府の反応は無し

gotoキャンペーンが行われ、東京を除外したとはいえ、過去最高の感染者数が報告された地域もある。 お盆休みで人の往来が増えればウイルスを持った人に接触する機会が増えていると仮定でき、お盆休みが明けた8月の最終週から9月の中旬までさらに感染者数が増えるのでは? その疑問を尾崎会長にぶつけてみた。 「gotoキャンペーンによって増加するということだけではなく、歌舞伎町でのクラスターが新宿で拡大していった構図が愛知や福岡、沖縄などでも起きている。そちらは今後もっと感染が増える可能性があり、東京問題から全国問題に変わっている気がします」 しかしながら、爆発的な感染拡大はないと予想しているという。 「東京の実効再生産数は、1.0~1.2、おおよそ1人が1人へうつしているということで今の平均からすると今後も1日300人を超える感染者数が報告されることはあると思いますが、1週間たったらボンと倍に増えるということにはならないのではと思います」 その理由は、第一波の時とは異なる国民の意識にあるという。 「どういった活動、行動が感染リスクなるかは第一波を活動自粛で乗り越えた経験から皆さん、学んでいます。共同生活、カラオケ、会食などでは飛沫による感染が増える。 とにかくマスクを外して食事や会話をするようなところでうつることがはっきりしています。そういったことを多くの人がしない様に気をつけているからです」 そう言った国民の意識は『マスク』に表れている。 「誰もいない道を散歩する時でもマスクをして歩いている人がいますが、周りに人もいないし話すこともなければ感染するはずがありません」 飛沫が起きない環境下でのマスク着用には我々国民の感染予防意識が非常に高いことを象徴しているが、これからさらに続くコロナとの共存には一歩踏み込んだ対策をすべきという。 「マスクをすることで安心感にはつながりますが、今の季節は熱中症になるリスクがあります。野外で密がなく飛沫の恐れがないところではマスクを外す、密が起きうる室内ではマスクをする。とにかく危険なところでマスクを外さない、人話さないと言った踏み込んだ対策をすべきではと考えます」 尾崎氏の指摘通り、コロナ対策と同時に熱中症対策も忘れてはならない。8月に入り40度以上を記録する地域もあり必要に応じての対策が重要だ。 必要に応じての対策で最も重要なのが「夜の街のクラスター対策」であるが、先日の尾崎氏の会見ではその対策案は次の通りだ。 「今のやり方では限界があるだろう。愛知県、大阪、福岡などで夜の街を中心にエピセンター化が進んでいるのではないかと感じています。休業をお願いするだけでは日本がどんどん感染の火だるまに陥っていく。特別措置法を改正して法的な拘束力がある休業要請、そして休業補償をちゃんとつける。 全国でエピセンター化していると思われるところ全てにおいて同時に進めることが大事だと思います。そのためには国が動いて、この法改正をしていただいて一斉に進める。これが今、全国に広がっている火種を消していく唯一の方法だと思っています」 その後、国からレスポンスはあったのだろうか。 「残念ながらレスポンスはありません。終息したら考えましょうというのが国のスタンス。もちろん与党の一部の行革推進本部、新型コロナウイルス感染症対策分科会、感染症対策ガバナンス小委員会の中には法改正をして対策すべきだと言ってくださる方もいますが、官邸サイドにはそう言った話は届いていない感じですね」

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