億り人投資家・おけいどん氏が指南する銘柄分析の極意 「良い高配当」と「悪い高配当」をどう見分けるか
【ステップ3】「配当性向」を確認する
次に、「配当性向」を確認します。 配当性向とは、純利益のうち配当金にどれだけ充てているかを%で示す指標です。配当性向=1株あたり配当÷1株あたり利益(EPS)×100で計算できます。 これが高いと無理な配当をしていることになり、増配が止まったり、減配するリスクさえあります。 配当性向はおおむね50%以下が安全圏です。逆に、低すぎると株主還元が充分ではないと判断します。よって、30%以上はほしいところです。 日本株では、配当性向30~50%が適正範囲だと考えます。米国企業は株主還元に熱心であることから、これより高くても許容できる場合もあります。その他外国株も30~50%を目安とします。 成長株では、配当を絞って、もしくは無配(配当金を出さないこと)で、事業投資に使いますので、配当性向が低いのは当たり前です。 ちなみに、配当性向が100%を超えているケースは、稼いだ以上に配当していることを意味しており、無理をしています。 「タコ足配当」とも呼びます。ただし、コロナ・ショックなどの緊急事態のときに、配当を維持するために一時的に配当性向が高くなっている場合は、株主還元への高い意識の表れなので、むしろ評価しても良いでしょう。 「配当利回り」「連続増配年数」「減配履歴の有無」「配当性向」は、証券会社のサイトである程度確認できるでしょう。「増配率」については、自力で計算することになります。
【ステップ4】「配当方針」を確認する
次に、中期経営計画や企業の公式サイトを見て「配当方針」を確認します。「株主還元方針」と書かれている場合もあります。そこに、「累進配当」や「業績成長とともに増配していく」等の記述があれば、これから先の持続的な増配が期待できます。 「業績連動型配当」というものもあります。文字通り、業績により配当金が左右されるという意味です。業績が良ければ増配、悪ければ減配を覚悟して投資しましょう。 「配当の下限」を設定する企業もあります。業績が悪くなったとしても、配当金がある程度読めるのは有難いですね。