統一地方選がスタート 何のために、誰を選ぶの? 内山融・東京大学大学院教授
Q:どうしたら地方選を活性化できますか? 私たち有権者はどうすべきでしょうか?
A:民主主義を根っ子のところで支えているのが地方選であるならば、その活性化は不可欠です。そのためには、政党や政治家の側が魅力的な政策案を練り上げ、地方自治の大切さを有権者に粘り強く訴えかけることが大事です。有権者の側も、「政治はお上がやってくれるものだ」という意識を捨て、「自分たちのことは自分たちで決めるのだ」という意識のもと、主体的に自治体運営に関わっていくことが必要です。その意味で、政治家と有権者の関係は鶏と卵の関係のようなものです。政治家の側も有権者の側も少しずつ変わっていく中、両者の共振が生じたとき、大きな変化がもたらされるでしょう。 そうした変化を促進するための制度改革も重要です。特に、議会と有権者の距離を縮めるための方策を導入すべきでしょう。議会を一部のプロの独占物にするのでなく、一般の人々のアクセスを容易にするということです。たとえば、議会の定例会を夜間に開催する、会社勤めの人が地方議員を兼職しやすくする、といった措置が考えられます。 -------------------- 内山 融(うちやま ゆう) 東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は日本政治・比較政治。著書に、『小泉政権』(中公新書)、『現代日本の国家と市場』(東京大学出版会)など。