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熱い気持ちは止められない――T.オースティン、浮沈を経て/FOR REAL - in progress -

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週刊ベースボールONLINE

優勝を目指して戦う横浜DeNAベイスターズ。その裏側では何が起こっているのか。“in progress”=“現在進行形”の名の通り、チームの真実の姿をリアルタイムで描く、もう一つの「FOR REAL」。

 水曜日に9連戦が終わり、金曜日から10連戦が始まった。  選手たちは、深まる秋の気配のなか、目の前の1試合に全力を注ぐ。 「ぼくが何よりも強く思っているのは、チームが勝つということだ。個人の成績がどうかなんて、まったく気にしていない。それは、アメリカにいたときも、日本に来てからも、同じ。残りのゲームは全部勝ちたいし、自分が貢献して勝つ試合が多ければ多いほどいい。それだけを考えている」  そう語るのは、今シーズンから加入したT.オースティンだ。  9月27日終了時点で36試合に出場して、打率.244、9本塁打、28打点。それは、開幕時の期待感の大きさに比べれば、物足りない数字かもしれない。  だが、ニューヨーク・ヤンキースを皮切りにメジャー球団を渡り歩いてきた29歳の声に陰りはない。

気づいたらフェンスが……。

 初めてスタメン出場した6月23日のドラゴンズ戦でいきなり4安打をマークした。2日後に第1号ホームラン。長打を次々に放ち、日本球界への対応はスムーズだった。

「アジャストできたというより、シンプルに、日本での野球を楽しもうと思っていた。あまり深く考えていなかったことが、いい結果につながったのかもしれない」  しかし、強打者の活躍は長くは続かない。度重なる故障に悩まされてきた。  開幕前には、右ひじ上部の張り。7月中旬には右手人差し指に張りが出て、登録を抹消された。  復帰後の7月31日、甲子園でのタイガース戦。ライトの守備についていたオースティンは、打球を追い、その勢いのままフェンスに激突した。気丈にプレーを続けたものの、翌日から試合を欠場。その後、脳震とうとむちうちの診断を受ける。  メジャーリーグ在籍時は主に一塁手を務めてきた。外野守備に不慣れな部分があったのはたしかだ。 「この距離なら絶対に打球に追いつけると感じたから全力で捕りにいったんだ。フェンスがすぐそこにあると気づいたのはギリギリになってから。そのときにはもう遅かった。メジャーでも外野を守った経験は少しあるし、日本に来てゼロから練習し始めたわけじゃない。ただ、環境も違うわけだし、慣れという点に関していえば多少はチャレンジングな面があったかな。いまはもう、だいぶ慣れてきたよ」  故障による離脱は、本人だけでなく、チームにとっても痛手になる。相手に得点のチャンスを与えることになろうとも、セーフティにプレーすべき――理屈のうえではそうあるべきことを、オースティン自身も理解している。

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