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進化を続けるレーシングウェア。“生体データ”がモータースポーツを新たな次元へと押し上げる

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motorsport.com 日本版

 世界最高峰のモーターレーシングであるF1では、常に最先端のテクノロジーが取り入れられてきた。チームは少しでもアドバンテージを得られるように次なる“獲物”を探している。 【動画】ルクレール、映画撮影でモナコをフェラーリSF90で爆走  それらの最新テクノロジーはこれまで、主に車体とエンジンに対して用いられてきた。膨大なデータを使用することで、チームがライバルを出し抜くためのポイントを見つけようとしてきたのだ。しかしながら、これからはレース用ウェアでさえもハイテク競争の場となろうとしている。  近年、レーシングウェアのテクノロジーは進歩しており、全体的な重量を削減したり、可能な限りドライバーが快適に感じるものへと改善されている。10年前は1.3kgもあったレーシングスーツが、今では800g以下になっているのだ。これは現在の厳しい安全基準を考えれば、限界ギリギリの数値だ。  しかしながら、レーシングテクノロジー企業がその歩みを止めることは決してない。ルノーやレーシングポイントなど複数のF1チームにレーシングウェアを供給しているアルパインスターズは、“バイオメトリクス”に注目している。  バイオメトリクスはしばしば『生物測定学』などと訳され、人の身体的データなどを測定し、個人認証などに活用することを指す。F1では既にバイオメトリクスを活用したレーシンググローブが用いられている。これには親指の部分に3mmほどのセンサーが取り付けられており、ドライバーの脈拍数や血中の酸素レベルといった情報がFIAの医療オフィシャルに伝わるようになっている。これにより、ドライバーがアクシデントに遭遇した際に本人の状況をより把握することができるのだ。 ■既にF1にも導入されているバイオメトリクス  こういったバイオメトリクスは将来的に次のレベルに進むことを目指しており、レーシングスーツやアンダーウェアなどその他のレーシングアイテムにも組み込まれることで、ドライバーがマシンの中で体験していることをより深く理解する為に役立つことが期待されている。  アルパインスターズのアパレル製品開発担当であるキアラ・コンサリーノは、motorsport.comに次のように語ってくれた。 「我々はオーバーオール(レーシングスーツ)にも同じ様なアイデアを導入することになるだろう。FIAとはいくつかのアイデアについて議論しているらしく、それがスーツかバラクラーバ(フェイスマスク)に導入される可能性があるようだ。今我々が焦点を当てているのはそういったことだ」  またアルパインスターズの元商業責任者であるジェレミー・アップルトンは次のように述べていた。 「現在はグローブに生体認証センサーが取り付けられているが、それは新たな研究分野を切り開くことになるだろう。ただ次のステップがあるからといって、我々がそれについて詳細を明かすことはないと思う」  ドライバーのストレスレベル、体温などの重要な機能を読み取れるセンサーがあれば、チームがレーシングスーツのどこから快適性を改善すれば良いのかを理解するのに一役買うことになる。ドライバーの快適性を向上させるものが導入されれば、ドライバーはよりドライブに集中することができ、今まで以上にパフォーマンスを発揮することができるだろう。  アップルトンはさらにこう話していた。 「マシンの中にいるドライバーのパフォーマンスを監視する機能は、(レーシングスーツの)素材などの開発にも役立つと思う。我々は2輪ロードレースの分野でエアバッグを開発している時にそういった経験をした」

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