100年前から高級リゾート! 箱根の底力を実感する、プライベートヴィラでの“リトリート”
箱根リトリートの1万5000坪の敷地には、それぞれ趣の異なる18棟のヴィラが点在している。ガラス張りの天井から星空が眺められるヴィラやグランドピアノがある部屋、本格的なキッチンとダイニングルームがある部屋、開放的なテラスつきの部屋など、個性豊かなヴィラぞろいだ。共通点は、広々とした独立型のログハウスであることと、簡易キッチンや暖炉、露天または半露天の温泉が完備されていること。テレビなどは設置されておらず、暖炉の火や温泉の水音、周辺の木々など自然の「ゆらぎ」のなか、心身をリセットできる。
めったに味わえない「何もしない贅沢」に浸る
専用ダイニングルームとキッチンつきのヴィラ12号棟に滞在すると、地元産の食材を片山和彦料理長が目の前で調理してくれるシェフズテーブルが堪能できる(3日前までに要予約)。 「箱根は山のイメージが強いかもしれませんが、じつは海が目の前という食材の宝庫。こちらにきてからまだ数ヵ月ですが、小田原、熱海、沼津から幅広い魚介が入ることに驚きました。足柄エリアは平坦で畑もあり、やわらかく旨みが濃厚な箱根西麓牛も有名。山海の旬の恵みをつかって、コース料理を提供しています」(片山料理長)
活きアワビをつかったセビーチェにシマアジとリンゴのミルフィーユ、タラバガニとロブスター入りの濃厚コーンポタージュ、カツオのタタキ風に和牛フィレ肉とフォアグラのステーキと、めくるめく美食の数々が登場。専用バトラーが注いでくれるワインも最高だった。 コース料理でココロもカラダも満たされた後は、静寂に包まれたヴィラでのんびりと過ごす。室内の暖炉に火をつけ、ぼ~っと眺めていると、あっという間に時間が過ぎていった。これこそめったに味わえない、「何もしない贅沢」だ。
ちなみに“リトリート”とは、日常から離れて心身を癒す過ごし方をさす。箱根リトリートではその名のとおり、部屋つきの半露天風呂で木立を眺めながら温泉に浸かり、ふかふかの羽毛布団で眠りにつくという、最高のリトリート体験が待っていた。
ぐっすり眠った後は、びっくりするほどにぎやかな鳥のさえずりとともに起床。さわやかな冷気のなか敷地奥の大浴場に歩いていき、貸し切り状態で露天風呂を満喫する。あたたまったところで料亭の純和定食をいただき、食後のほうじ茶でほっこり。これから都内に戻らなければならないなんて、とても信じられない気分だ。 箱根には何度も来たことがあるけれど、ここまで徹底したプライベート空間で過ごしたのははじめて。大自然と良質の温泉、地産地消グルメと、箱根の底力をあますところなく味わえた、得がたいひとときだった。 Photo & Text:萩原はるな