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いのちの電話に相談急増 「職失った」「休校で子にイライラ」 職員減も寄り添い続ける 新型コロナ

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千葉日報オンライン

 独りで思い悩む人に寄り添い、自殺を防ぐ活動をしている社会福祉法人「千葉いのちの電話」(千葉市中央区)。新型コロナウイルスの影響で3月から相談が急増したが、高齢者が中心の相談員は感染防止のために外出ができず人繰りに追われた。それでも「困っている人のために」と受話器を握り続け、全国の仲間と新たな取り組みも始めている。  「コロナの影響で仕事を失った」「外出自粛で夫婦げんかが増えた」「子どもが休校でイライラしてしまう」。同法人によると、新型コロナの感染が拡大した3月から、こうした不安の声が寄せられるようになった。3月の電話相談は約1500件に上り、コロナ関連は3月以降途切れることがなく、普段の半分以下の相談員3、4人で対応に追われている。  同法人の斎藤浩一事務局長(64)は「外出自粛により考える時間が増え、相談者が以前から抱えていた悩みを出しやすくなった」と分析している。  相談員は無償のボランティアで、約180人のうち8割が60~80代の高齢者。最も多い時は約350人が在籍していたが、現在は新たな担い手がいないという。慢性的な人員不足の中、緊急事態宣言の発令が追い打ちをかけた。  相談員の多くが高齢で公共交通機関を利用し、感染リスクを考慮して、ほとんどの人が出勤できない状況が続いている。斎藤事務局長は「相談員の安全も第一で、業務を続けるべきか葛藤した」と振り返る。  運営に十分な人員を確保できず、4月中旬から24時間365日の電話相談を一時中断。以降は平日午前9時~午後5時の対応としていたが、6月からは同じ時間帯で休日も受け付けている。県外では相談員不足により事業を停止する団体も出ているが、「大変な状況だからこそ必要としている人がいる」(斎藤事務局長)と事業継続を決めた。  今年は新規相談員の「研修講座」も中止となった。対人援助の方法を丁寧に身に付けるため、募集は年に1回。来年の新規相談員はゼロとなり、人員不足に拍車がかかった。  相談員の減少により、対応できる電話相談が減っているという。斎藤事務局長は「助けを必要とする人の電話が取れない状況」と苦しい胸の内を明かしながらも「365日24時間に戻すことが目標。若い人にも関心を持ってもらえるよう試行錯誤したい」と話した。 ◇「日本いのちの電話連盟」は、各地で新型コロナ関連の相談が増えている現状を踏まえ、6月20日からフリーダイヤルを開設。2011年の東日本大震災時は東北限定だったが、全国規模では初の取り組みとなる。「自殺予防いのちの電話」(電話)0120(783)556。毎日午後4~9時に受け付けている。

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