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夜中の2時、愛猫を追って暗い地下室に向かう階段で

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デイリー新潮

片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)×作詞家・小竹正人 往復書簡8

 片寄から「大人とは?」について尋ねられていた小竹は、王道の質問に満を持して応えようとしていたが、好事魔多し。アクシデントに巻き込まれた。季節を先取りするカイダン……。

拝啓 片寄涼太様  まずは、ちょっとしたカイダン話を。  君も来訪したことがあるので知っていると思うが、我が家には暗い地下室がある。  数日前のことであった。夜中の2時に目が覚めトイレに行こうとした私は、一階から地下に行くドア(何日も開けていない)がほんの少し開いているのに気づいた。「空子(ソラコ、愛猫)が地下に行ってしまったのでは」と、心配になり、恐る恐る地下室へ行くドアを開き、真っ暗な地下への階段へ踏み出そうとしたその時私は……、 「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!」  あろうことか階段の一番上から一番下まで(全12段)を転げ落ちてしまったのである。とっさに「落ちるもんか!」と、体をくるっと回転させるなどという余計な悪あがきをしたせいで、正面からではなく背中からド、ド、ドーッと。ゴン! バキッ! ドスッ!!  と自分の体のあちこちをぶつけながら。途中で「これ、死ぬかもな」と走馬灯を見始めそうになった時、落下が終わり、小さく「ウッ」と声を漏らし私の体は静止した。  ほんの数秒間の出来事だったにも関わらず、体のあちこちに激痛を覚え、頭からはダラダラと血が流れていた。しばし錯乱状態に陥り、体を起こしてみると、何とか歩ける。途方に暮れながらも、とりあえず私はトイレに行った。  鏡を見たら顔面血だらけでホラーだったので、トイレットペーパーで顔を拭き、ばっさりと切れている側頭部にトイペを押し当て、ついでにしっかり用を足し(漏らさなくて本当に良かった)、めちゃくちゃ動揺していたので、気持ちを落ち着かせるために電子タバコで一服してから(傍らに空子がちょこんと座っていた)よろよろと事故現場に戻り、ところどころに付着している血痕をアルコール除菌ティッシュで拭いた(はい、私はちょっと潔癖症なんです)。  そして、右腕が全く動かないし、頭からの流血も止まらないので、「かったるいなあ」と思いつつ自分で救急車を呼び、病院へと運ばれた。  検査の結果、右肩を骨折、左足の指にヒビ、左側頭部の打撲、他にも体のあちこちを捻挫・打撲。病院を出たときには夜はすっかり明けて、ひるむくらい眩しい青空が広がっていた。  タクシーがなかなか(数十分)来なかったため、救急外来の入口付近にぼーっと立ちすくんでいたら、大きなガラスに映った自分の姿が見えた。頭には血が滲んだ包帯、腕には三角巾、遠目でもわかるくらいくっきりと手足に青痣や内出血。絵に描いたような満身創痍。今までの人生でこんな大怪我をしたことがなかったので、要らない自己顕示欲と露悪趣味から、私はスマホで自分の体のあちこちを撮影しました。  根がふざけているせいでしょうか、体の心配をするよりも、見たことのない悲惨な自分の姿を面白がってしまったのである。だって、ハロウィンでよく見かけるゾンビみたいな姿だったんですもの。これ、もし死んでいたら、「まあ、顔だけはなんの損傷もなくて……」と葬儀に参列してくれた人たちが目頭を熱くするよ、ホント。

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