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岡田健史、若手屈指の多彩な引き出し 『中学聖日記』から『MIU404』まで挑戦の軌跡

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リアルサウンド

 2018年10月、『中学聖日記』(TBS系)で華々しくデビューした岡田健史。教師に恋する中学生役ということで、幼くてもろく、ときには今にも泣きだしそうなせつない表情をみせるところが印象的であったが、その後はさまざまなタイプの役に挑戦し、一つのイメージにとらわれない活躍を続けている。 【写真】『中学聖日記』で初インタビューを受けた際の岡田健史  2019年は、地元・福岡の高校生を演じた『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』(FBS)や、AbemaTVの『フォローされたら終わり』、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の第4話ゲスト出演と、短編や1話のみの出演、配信ドラマと多岐にわたって出演してきたが、2020年は、『中学聖日記』の塚原あゆ子が演出、野木亜紀子が脚本の『MIU404』(TBS系)で九重世人役としてレギュラー出演中である。  本作の岡田は、それまで多かった学生役ではなく(『フォローされたら終わり』は社会人であったが)、警察庁採用のキャリア組の新米で、父親が警察庁刑事局長という、これまでにない設定の役に挑戦している。物語の主人公の伊吹(綾野剛)や志摩(星野源)とも違う、第三の個性を感じさせる役だと感じる。  九重は、今どきの新人刑事で、コンビを組んだ年配の刑事・陣馬(橋本じゅん)がなにかと気を使っても、冷たくあしらうようなクールな性格。ときおり自信過剰で、頭でっかちで、自分の半径数メートルより外にいる市井の人たちに対しての想像力のなさを感じさせる場面もある。彼の口から「自己責任」という言葉が飛び出すところから見ても、エリートだが経験の足りない若者だということも最初のうちはうかがえる。  一方、伊吹は勘が鋭く野生派であり、頭で考えるより先に何かを察知するキャラクターである。そこは、キャリア組で考えることが先に立つ九重や、「優秀な刑事であった」冷静な志摩という2人との対照的な性格となっており、特に第3話で、パチンコ玉を掴む伊吹と、つかみ損ねる九重との対比は見事で、この違い(第3話のタイトルは『分岐点』という)が今後の展開にもかかわってくるのではないかと思えた。  また、そのパチンコ玉のシーンの直前で、志摩が九重に志摩を買っている部分について「俺らにないところ」と言ったのも見逃せない。志摩は九重に(また九重も志摩に)似たものを感じ取っているのではないだろうか。伊吹、志摩、そして九重の3人の似たもの同士なところと違うところも注意深く見守っていきたい。  ドラマの当初はクールだった九重だが、興奮すると地元(と思われる)の博多弁が出るなど、徐々に人間味が出て、それと同時に機動捜査隊の面々とも打ち解けていっていて、その変化を見るのも楽しい。  冒頭でも書いた通り、学生役から、エリート刑事まで、今、岡田は若手俳優の中でも、もっとも多様な役を演じている俳優だと思う。  現在、NHK BSプレミアムでは『大江戸もののけ物語』が、フジテレビでは深夜に『いとしのニーナ』が放送されている。これらのドラマでは、今までそこまで強くなかった三枚目の顔であったり、どこにでもいる普通の、そしてちょっとヘタレな青年の部分を垣間見ることができる。  また、8月は、木皿泉が書き下ろしで、コロナ禍の夏を描いた『これっきりサマー』(NHK総合)で、高校生を、しかも高校球児を演じる。秋には、映画『望み』で、堤真一、石田ゆり子の息子で、犯人なのか、被害者なのかという難しい役にも挑戦する。  若手俳優は、10代はキラキラしたそのときにしか見せられない学生役を演じた後で、物語の中の役割の一つにたどり着くことも多いが、『望み』では、そうしたきらめきではなく、青春の影の部分を表現して物語の鍵を握る重要な役割を担っている。  『中学聖日記』のときには、そのあまりにもみずみずしい役柄で注目を受けただけに、その後もそうした役が続くのかと思われたが、主役も担えば、先輩たちの中で物語の重要な一部分を演じることもできる。  その実直な役選びは、毎回、意外性があり、そしてそのひとつひとつを着実にものにしていると感じる。デビューしてから2年足らずで、ここまで幅の広い役に挑戦している俳優というのも、なかなかいない。それだけ稀有な存在ということだろう。

西森路代

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