いよいよストーブリーグ 来季の監督人事も活発化
兼任監督として1年目の中日の谷繁元信監督(43)の来季続投は確実で、広島の野村謙二郎監督(47)も、昨年は、一時、退任が検討されたが、CS出場を果たせば、よほどのことがない限り留任だろう。退任が濃厚なのが最下位、ヤクルトの小川淳司監督(56)。故障者続出で戦力が整っていなかったという同情の見方があり、山田や雄平ら若手打者も育ってきたが、2年連続最下位の責任は免れない。しかし、本社内の好き嫌いもあって次期監督の本命と言われた荒木大輔氏(50)の名前もなく、引退したばかりで将来の監督候補である宮本慎也(43)も時期早尚とされており、2軍監督経験のある真中満チーフ打撃コーチ(43)の内部昇格案が有力とされている。 一方、パ・リーグは、日本一から急転、最下位に低迷している楽天を除いて無風に収まりそうだ。早々と来季の続投が発表されたのが、日本ハムの栗山英樹監督(53)。次いで8月23日には、オリックスが森脇浩司監督(54)と新たに2年契約を結んだことを発表した。そのオリックスと優勝争いをしているソフトバンクの秋山幸二監督(51)も、優勝を条件に続投の方針。また戦力不足をなんとかやりくりで補っているロッテの伊東勤監督(52)も、その手腕を評価され3年目のシーズンに突入しそう。 この4チームと対照的にシーズン途中に伊原春樹監督(65)が電撃辞任、田辺徳雄打撃コーチ(48)が代行監督として指揮をとっている西武は、監督交代が進められる方向。田辺氏の評価は高いが、コーチングスタッフとしてベンチに残り、2軍監督として帝王学を学ばせていた、かつて魔球シンカーを操ったサイドハンドエース、潮崎哲也(45)の監督昇格が規定路線。 問題は、最下位を低迷中の楽天、星野仙一監督(67)の進退で、複数年契約を結んでいて続投するのが筋だが、途中休養して腰の手術をした体調は思わしくなく、闘将らしく自ら責任を取って退く可能性は考えられるシナリオだ。楽天の監督人事は、三木谷オーナーの“天の声”が大きな影響力を持つため、次期監督にはサプライズ人事が十二分に考えられる。 その中で大穴として監督候補に挙がっているのが、アンドリュー・ジョーンズ(37)の兼任監督案。その野球に取り組む姿勢と人柄を三木谷オーナーが買っている。アンドリュー・ジョーンズ自身も、「将来は指導者になること」を願望としてもっていて、WBCのオランダ代表監督の有力候補でもあるのだが、メジャーの実績と豊富な知識を持ったアンドリュー・ジョーンズが、異色の兼任監督として日本で監督デビューを果たせば大きな話題にもなる。その後、メジャーへ監督凱旋というようなことにでもなれば、楽天の新たな球団戦略の展開にもつながっていくだろう。 先日、この“AJ監督説”を楽天のフロントにぶつけたが、“完全否定”というわけでもなかった。ペナントレースの優勝争いと同時進行で、水面下で進んでいる来季の監督人事の行方もファンにとっては気になる関心事である。