「体がフワフワするめまい」その原因とは…専門医が解説!「パソコンやスマホによる<ストレートネック>にもご注意」
◆ストレートネックになっていませんか? 1つが、頸椎(背骨の首の部分)の問題です。 背骨(脊椎(せきつい))は、椎骨という骨が積み重なって構成されています。 人の体を左横から見ると、脊椎がゆるいS字状カーブを描いています。7個の頸椎は前方に、12個の椎骨からなる胸椎(きょうつい)(背骨の胸の部分)は後方に、5個の椎骨からなる腰椎(ようつい)(背骨の腰の部分)は前方にふくらんでいます。 これは、二足歩行するようになるとともに、5kg以上もある重たい頭を支えるために生じた進化です。 パソコンやスマホなどの普及により、現代人はねこ背になり、首を前に突き出した姿勢を取ることが増えてきました。 本来、前方にゆるいカーブを描いているはずの頸椎が真っすぐになってしまう、いわゆる「ストレートネック」となる人が急増しています。 このストレートネックが、フワフワめまいの原因となるのです。 ストレートネックの状態で歩くと、着地したときの振動が直接、頭蓋骨(ずがいこつ)に伝わり、それがフワフワめまいを引き起こしてしまうと考えられるのです。
◆原因の究明が大切 また、最初の図にある飛行機の両翼についても触れておきましょう。 左右両側の内耳が障害を受けると、フワフワめまいが引き起こされることがあります。 今から100年以上前、1920年代初頭、ある人の両耳の神経を切ったところ、慢性的な浮動性めまいが起こったという研究報告(Dandy 1921)があります。つまり、それくらい昔から、一部の研究者にはこのことは知られていました。 現代では、梅毒や結核の治療薬である「ストレプトマイシン」や「カナマイシン」、心内膜炎などの治療薬である「アミカシン」や「ゲンタマイシン」などを服用した人が、薬害で両側の内耳に障害をきたします。ただし、これは、めったに見られない稀(まれ)なケースです。 また、フワフワめまいは、うつなどの心因性の原因によって起こることもあります。 このように多くの原因・誘因によってめまいが起こる可能性があるため、検査・診断において、きちんと真の原因を突き止めておく手順が欠かせないのです。 ※本稿は、『フワフワするめまいを治す最強の食事術 名医が教える新しいめまい撃退法』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
坂田英明,神崎晶
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