金子恵美氏「間違った責任感、解せない表現」「非常に危ない」元大阪地検検事正の一転無罪主張で
元衆院議員の金子恵美氏(46)が11日、水曜レギュラーを務めるABCテレビ「newsおかえり」(月~金曜午後3時40分=関西ローカル)に生出演。。元大阪地検のトップである検事正が部下の女性検事に性的暴行を行って準強制性交の疑いで逮捕され、今年10月の初公判で事実を認めながら、12月10日になって一転無罪を主張した件について言及した。 被告は初公判で「争うことはしません」と起訴内容を認めたが、地裁によるとその後、主任弁護人が交代した。10日は第2回公判が開かれる予定だったが、期日が取り消されていた。 新たな主任弁護人の中村和洋弁護士は大阪市内で開いた会見で「抗拒不能だったという認識はなく、同意があった。犯罪の故意はなく無罪だ」と述べた。 中村氏によると被告は当初、関係者や検察に迷惑をかけたくないという理由から、起訴内容を争わない方針だった。しかし、かえって検察批判を招いたことから「間違っていたのではないか」と考え直したという。 金子氏は「性犯罪被害に関しての事案で、いつも問題になるのは同意の有無であって、今回、『同意があったと思っていた』というのが、地検トップの方が言うには、あまりにも稚拙というか説得力のないというか、弱い主張だなと思う。そこは確たる客観的な証拠、根拠がなくて無罪を訴えるのは驚き」と述べた。 また、被告の迷惑をかけたくないという理由を「地検トップであるという間違った責任感というか、私の中では解せない表現」と疑問視。解説を務めた大澤孝征弁護士に見解を問うと、大澤氏も「むしろ、こういう態度をとることが、検察官、大阪地検という大組織のトップであった者のすることかと感じを受けます。そのことによって、かえって検察に対する組織的、人格的な批判が強まることすらあれ、彼の希望するようなわけにはいかないんじゃないか。翻したということ自体が組織的な批判を招くのではないかと危惧する」と逆効果だと指摘した。 さらに、金子氏は「これでもし無罪になったら、他の判例とか性犯罪に対しての結果としてね、裁判を起こした時に、この理由でいけるのかということになってしまうのは非常に危ないと思う」と今回の裁判の結果が今後の同様の裁判に与える影響を危惧。 大澤氏は「裁判の実務としては、被害者の証言態度、証言内容、そういったものと被告人の主張の内容を比べて、どちらの言い分が心に響くか、納得できるかということで心証を形成するわけですから、私は被害者の言い分が大きな心証を形成することになるんじゃないか」と解説していた。