紀藤正樹弁護士、『紀州のドン・ファン』事件の無罪判決を解説…「裁判所が被告が覚醒剤を買ったことを『疑わしい』とした点で検察側の完敗」
弁護士の紀藤正樹氏が12日、自身のX(旧ツイッター)を更新。2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん=当時77歳=に覚醒剤を摂取させ殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻・須藤早貴被告(28)の裁判員裁判で和歌山地裁が下した無罪判決について解説した。 ◆デヴィ夫人、紀州のドン・ファン夫妻と3ショット【写真】 紀藤弁護士は「続報を見ると裁判所が被告が覚醒剤を買ったことを『疑わしい』とした点で検察側の完敗です。そもそも被告が覚醒剤を入手しないと犯行が成り立たないからです。『覚醒剤を摂取させた方法』(犯行)が立証できないと言うレベルにも達していない以上検察側としては控訴せざるを得ないように感じます」と記した。 検察側は裁判で須藤被告が密売人から覚醒剤を購入、インターネットで「覚醒剤 死亡」などと検索していたと指摘した。しかし、裁判長は「被告が密売人から渡されたものが覚醒剤であるとは言い切れない」と指摘。検索履歴についても「被告が野崎さんの殺害を計画していたことを推認させる行動とは言えない」と判断した。 和歌山県警は21年4月、野崎さんが死亡する3カ月前に50歳以上の年の差で結婚した元妻、須藤早貴被告が多量の覚醒剤を摂取させたとして殺人などの容疑で逮捕。須藤早貴被告は黙秘を貫き、関与を裏付ける直接的な証拠がない中、今年9月から始まった裁判では検察、弁護側双方が全面的に争った。 紀藤弁護士はXで無罪判決直後は「無罪ですね。驚きました」「判決が早く読みたいです」とつづった。13日には補足: 本物の覚醒剤を売ったということは自身が有罪となる可能性が生ずる事情ですから控訴審では密売人の”須藤被告に渡った覚醒剤は氷砂糖”とする証言の信用性が最大の議論になると思われます」と追加した。
中日スポーツ