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宇宙の宝石箱から見えてきた星の進化の姿

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この画像はハッブル宇宙望遠鏡が観測した「NGC 2203」という星団(星の集まり)です。ハッブル宇宙望遠鏡による星団の画像はどれも美しく「宝石箱」と呼ぶにふさわしいものばかりですが、NGC 290の記事でもご紹介したように天文学者たちにとっては星を研究する良い対象でもあります。 ここで「星」というのは太陽のように自ら光り輝く「恒星」を指します。恒星は星間物質を材料として誕生した後、最後には輝きを失ったり爆発を起こしたりして死を迎えるまで、大きさや内部の構造などが変化していきます。このことを星の「進化」と呼び、星の中心部で水素の核融合反応により安定して輝くようになった星を「主系列星」と呼びます。星は一生のうちもっとも長い時間を主系列星として過ごします。太陽は主系列星であり、あと60億年ほどのうちに中心部の水素を使い果たし、次の段階である「赤色巨星」へと進化していくと考えられています。 NGC 2203に話を戻すと、この星団には太陽の約2倍の質量をもつ星々が存在しています。星の質量によっても内部構造は異なるものの、星団の星々は同じタイミングで生まれ、同じような化学組成(どのような原子が含まれているか)を持つとされてきました。しかし近年、厳密にはそうではないという観測結果が示されてきています。星の進化の理論は1950年代から1960年代にかけて大きく進展し、大筋では理解されているのですが、まだまだ解明されていない部分があるようです。 観測結果の1つが、主系列星の段階に想定より長くとどまっている星があるというものです。これに対する説はいくつか提唱されてきましたが、1つの要因は星の自転だと言われています。地球の自転とは少し動きが異なりますが、太陽のような恒星も自ら回っています。主系列星は大まかには水素を核融合反応で燃やし尽くすと次の進化の段階に移っていきますが、星の回転により、核融合反応の燃料にできる水素の量が増え、結果として主系列星としての寿命が長くなると言われています。 星団は同じような星が集まっていそうに見えて実はバラエティに富んだものと言えるかもしれません。関連としてこれまでに紹介してきた星団の記事をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

北越康敬

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