ロシア、労働力不足補う「移民必要」
【AFP=時事】ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は22日公開のインタビューで、国内の労働人口が減少しているため、国家の発展のためには移民が必要との考えを示した。 【写真】ロシア出生率は日本並み1.4、国家の将来に「大惨事」 大統領府 ペスコフ氏は国営ロシア通信(RIA)に対し、「移民が必要だ」「わが国の人口動態は逼迫(ひっぱく)している。われわれは世界最大の国に住んでいるが、人口はそれほど多くない」と述べた。 ロシア議会は今週、「子なしプロパガンダ」を禁止する法案を可決。個人や団体が他者に対し、子どもを持たないのを奨励することを事実上禁止した。 ソ連時代から続き、ウクライナ紛争以降、さらに悪化している人口危機の解消が狙い。 ペスコフ氏は「ダイナミックな発展を遂げ、すべての開発プロジェクトを実行するには労働力が必要だ」として、ロシア当局は移民を歓迎していると強調した。 だが、ロシアでは反移民感情が根強く、経済の主要部門を担う中央アジアの旧ソ連構成国出身の出稼ぎ労働者が主な標的とされている。 大統領府は7月、人口減少が「国の将来にとって大惨事」であることを認めた。 ウラジーミル・プーチン政権は大家族を対象に多額の給付金や住宅ローン補助金を給付するなどの対策を取っているが、人口は旧ソ連時代以降、回復していない。 最近の人口問題には、低出生率、新型コロナウイルスによる超過死亡に加え、数十万人の男性がウクライナ侵攻への動員を逃れて出国したことが挙げられる。 報道機関RBCが引用したロシア連邦統計局の推計によると、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は2023年は1.41で、人口を維持するのに必要な2.0を大幅に下回った。 統計局によれば、今年1~9月の出生数は、前年同期比3.4%減の92万200人だった。ロシアメディアは、1990年代以降で最低だと報じている。【翻訳編集】 AFPBB News