「BEVに乗るぞ!と意気込むよりも、楽しいクルマ選びがいい」次期ハスラーと言われるeWXにはスズキの良心が詰まっていた
2023年秋に開催されたジャパンモビリティショーでスズキが出展した軽EVコンセプトカーの「eWX」。角の取れたスクエアな形状に存在感のあるホイールアーチと、クロスオーバーなシルエットから「次期ハスラーか!??」と期待されています。 【画像】この記事のスズキeWXの内外装を見るならこちらから しかしながら、eWXはバッテリーEV。となるとハスラーは次期型でバッテリーEVとなってしまうことになります。eWXは本当に次期ハスラーなのでしょうか。
■今までと変わらず使える、EVになってもっと快適になる
ワゴンRやハスラー、ジムニーなど、個性豊かで楽しく実用的な軽自動車をラインアップするスズキ。冒頭でも触れたように、eWXは、2023年10月に開催された「ジャパンモビリティショー」で世界初公開された軽ワゴンEVのコンセプトモデルです。 ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1620mm。全高が少しハスラーのほうが高い(ハスラーは1680mm)だけで、あとは同じサイズとなります。 公開されている情報によると、フル充電での航続可能距離は230km(WLTCモード)。すでに市販されている軽EVの日産サクラは180kmなので、それを大幅に上回るスペックです。 eWXは「毎日の生活に寄り添う軽ワゴンEV」「今までと変わらず使える、EVになってもっと快適になる」軽EVと紹介されています。つまり従来のガソリン車から乗り換えても違和感なく同じように使うことができる、楽しく実用的なクルマというコンセプトです。 デザインを見るとグリルレスのフロントビューやバッテリー冷却のなどEVらしいディテールは見られるものの、奇抜でクセが強いとは感じられません。ほどよく未来的で、かつ遊び心あふれるデザインといえるのではないでしょうか。
■実用性と楽しさを、軽ならではの親しみやすさに落とし込んでいる
インテリアでは、エクステリアに採用されている鮮やかなイエローのアクセントカラーを大胆に取り入れたカラーパネルが目に付きます。インパネはフローティングパネルを採用し、ここにも近未来感は表現されていますが、かといってデザイン優先で使いやすさを犠牲にしているようにも感じられません。 全体的に角丸長方形がモチーフになっており、ステアリング形状も異形で個性を感じさせますが、スイッチ類は意外にもアナログなものが配置されています。エアコンやハザードスイッチ等はおはじきのようなデザインで、センターコンソール下に並べて配置されており、ちょっとレトロな雰囲気さえ醸し出されています。シフトはセンターコンソールに埋め込まれたダイヤル式で、他のスイッチ類の配置、大きさとも調和が取れていて違和感はありません。 あくまでもコンセプトカーなので自由にトライしているようにも感じられますが、「EVに乗るんだぞ」と気構えるより、「このクルマに乗ったら楽しそう」と直感的に感じられるインテリアに仕上がっているように思います。